研究課題/領域番号 |
20K06757
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
橋本 寿史 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (30359757)
|
研究分担者 |
宇治 督 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主任研究員 (40372049)
成瀬 清 基礎生物学研究所, IBBPセンター, 特任教授 (50208089)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 色素細胞 / 転写因子 / 白色素胞 / 真骨魚類 / 進化的新奇性 / 分化制御 / 細胞多様性 / 細胞分画 / 細胞分化 / 運命決定 / セルソーター / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
メダカにおいて新奇細胞種である白色素胞を分化させるためには、白色特異的に働く運命決定因子が必要である。本研究では、その同定のため、白色前駆細胞の網羅的発現解析(RNAseq)による候補因子の絞り込みと、遺伝解析(ゲノム編集など)による候補因子の機能検証を行う。さらに、他の魚種での白色素胞分化経路の比較遺伝解析によって、魚類において白色素胞の進化をもたらした遺伝基盤を解明する。
|
研究成果の概要 |
脊椎動物の多くは皮膚に黒、虹、黄色の3種類の色素細胞を持つが、一部の真骨魚類はそれに加えて白色の色素細胞(白色素胞)を持つ。これは真骨魚類の進化の過程で新しい種類の細胞が誕生したことを意味する。 本研究では、白色素胞を持つメダカをモデルとして、白色素胞の進化的獲得を可能にした遺伝子の同定を目指した。 4種類の色素細胞についてそれぞれRNA-seq解析を行なうことで、各細胞に特異的に発現する遺伝子群を網羅的に同定することができた。白色素胞特異的遺伝子の中には、幹細胞の分化制御を担うことが知られる転写因子が含まれていた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物は多様な体色を持つが、それには皮膚の色素細胞の存在が不可欠である。脊椎動物の祖先はおそらく元々黒い色素細胞しか持たなかったが、進化の過程で虹色や黄色、白色などの細胞を発明し、色素細胞の多様性、さらに体色の多様性が生まれるに至った。 このような細胞多様性は、発生学的に同系列内で細胞の種類が増えることで生まれる。例えば、血液細胞の系列内で免疫細胞が多様化したのと同様である。発生において幹細胞からいろいろな種類の細胞を作り出すには細胞を特徴付ける「分化」を誘導する必要があるが、その鍵となる働きをする細胞種特異的転写因子を同定することは細胞多様性の理解につながる。
|