研究課題/領域番号 |
20K06784
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
北村 淳一 三重大学, 生物資源学研究科, リサーチフェロー (00432360)
|
研究分担者 |
小北 智之 九州大学, 農学研究院, 教授 (60372835)
三品 達平 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (40830162)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 繁殖戦略 / 適応進化 / ニッチ分割 / 遺伝基盤 / タナゴ亜科魚類 / 淡水魚類 / 魚類 / 表現型適応 / 分子生理 / 生態進化 / 繁殖寄生 / 繁殖生態 / 進化生態学 / 生態ゲノミクス / 種多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
自然史学的・生態学的関心から繁殖ニッチ分化が駆動する表現型多様性や種多様性創出の研究例は少なくない.特に,繁殖寄生を行う動物では宿主利用に関する形質に興味深い形質進化が認められる場合が多く,昆虫類や鳥類を中心に古くから研究されてきた.しかし,その進化機構を遺伝子・ゲノムレベルの枠組みで理解しようという試みはまだ始まったばかりであり,本プロジェクトはその先導的研究の一つである.本研究の対象であるタナゴ亜科魚類はこのような現象を示す代表的脊椎動物の一つであるが,日本を含む東アジア域は本亜科魚類の極めて高い種多様性を示すことから,本プロジェクトの文脈におけるモデル系として大きな利点を有している.
|
研究成果の概要 |
本研究では、淡水二枚貝類への繁殖寄生のため産卵管という新奇形質を獲得したタナゴ亜科魚類を対象として、繁殖ニッチ分化を駆動する雌繁殖形質に焦点を当て、この形質の多様化を引き起こす分子遺伝機構の一旦を描き出すことを目的とした。特に、産卵母貝分化と関連したタビラ種内変異をモデル系とした詳細な解析から、2つの繁殖形質において重要かつ新規的な成果を得た:(1)産卵管の伸長機構や産卵管長の適応的分化のトランスクリプトーム基盤、(2)最終成熟に伴いアクチン依存的に伸長した卵細胞の核膜崩壊後の縮幅の差異が卵形変異に関与している可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の繁殖寄生は巧妙な繁殖戦略の例として古くから自然史学的・生態学的関心を向けられてきた。宿主利用と関連して、祖先・近縁系統には認められない新奇的な形質獲得した系統は、このような鍵革新の後、新奇形質自体や様々な繁殖形質を適応進化させることにより繁殖ニッチを分化させ、種多様化してきたと想定される。それでは,このような繁殖ニッチ分化の背後にある形質群の適応的多様化はいったいどのような至近メカニズムによって達成されたのだろうか?本研究はこのような問いに関して、新たな知見を提供することに成功した。
|