研究課題/領域番号 |
20K06852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東邦大学 (2022) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
上田 奈津実 (石原奈津実) 東邦大学, 理学部, 准教授 (60547561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 記憶 / 記憶固定 / 細胞骨格 / 可塑性 / 記憶固定化 |
研究開始時の研究の概要 |
学習や記憶の細胞レベルの基盤は神経活動に応じてシナプス伝達効率が変化し、維持されるシナプス可塑性である。強い興奮性入力は樹状突起スパイン容積増加とAMPA受容体のシナプス後肥厚へのリクルートを伴うシナプス伝達の長期的な亢進(LTP)を惹起する。さらに、スパインの可塑的変化は数時間以上継続し、後期LTPをもたらす。スパインの体積増加はアクチン重合によることが支持されている一方で、数時間以上続くスパイン体積の可塑的変化に対しては、何からのメカニズムの存在が示唆されており、記憶維持に関わると考えられているが、その実体はほとんど明らかになっていない。本研究では長期記憶維持の分子基盤を解明する。
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研究成果の概要 |
学習・記憶の素過程は、ニューロン同士の接着部位(シナプス)において伝達効率の上昇が長期的に持続する長期増強(LTP)であり、樹状突起スパインの構造変化である。スパインの構造変化はアクチン細胞骨格の重合により引き起こされるが、体積変化が数時間以上持続する基盤と電気応答の持続に関与する分子機構は不明な点が多い。本研究では刺激に対するオルガネラの移動が長期記憶維持に影響を及ぼすことを示す新たな概念を提示することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国は超高齢社会を迎えており、認知症初期の時点での治療は最重要課題の一つである。臨床において、アルツハイマー病治療薬(コリンエステラーゼ阻害薬)の有効性を検討した研究があるが、根本的な治療薬は確立していない。今後は、本研究成果を認知症の治療戦略に繋ぐことを目指して、得られた基礎データに基づく、創薬や治療法の基盤となる技術開発に取り組むことを目指す。高齢化社会が進む中で基礎研究を健康寿命の延命に繋げる。
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