研究課題/領域番号 |
20K06861
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
菅原 健之 北里大学, 医学部, 助教 (70584522)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | スパイン / 海馬 / リン酸化 / Arf6 / EFA6A / 神経細胞 / 樹状突起スパイン / 発達 / 成熟 |
研究開始時の研究の概要 |
生後発達期の神経細胞では、スパインが活発に作られることで過剰なシナプスが形成される。そして成熟に伴い、環境や経験に依存した必要なスパインの固定化と不要なスパインの除去が起こる。このように、発達期と成熟期では、同じ細胞の内部でも全く異なる方向性にスパインの形態形成が制御されているが、そのスイッチングを担う分子機構は解明されていない。本研究では、膜小胞輸送関連分子の翻訳後修飾が発達段階に依存して劇的に変化するという自己所見に着目することで、スパイン形態形成のスイッチング機構の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
興奮性シナプスの後部構造である樹状突起スパインの数や形態は発達や神経活動に応じて変化するが、その制御機構は十分に明らかにされていない。本研究では、細胞内小胞輸送とアクチン細胞骨格の再構成を制御する低分子量Gタンパク質Arf6の活性化因子(グアニンヌクレオチド交換因子、GEF) の一つであるEFA6Aのリン酸化状態が発達段階や神経活動に依存して変化することを明らかにした。また、そのリン酸化状態の違いによりEFA6Aの細胞内局在やGEF活性が制御されていることについても明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スパインの形態形成を制御する機構の解明は、学習・記憶の細胞レベルでの理解に直結する重要な課題である。また近年、スパインの形態形成を正しく制御する機構の破綻と、発達障害や精神疾患の発症との密接な関連性が指摘されている。本研究では、スパインの形態形成に関わるシグナル分子であるEFA6Aのリン酸化状態と機能が発達段階や神経活動に応じて変化することを見出した。したがって本研究の成果は、学習・記憶などの高次脳機能の発現機構の理解のみならず、これまで未知であった病因の解明に繋がる可能性を持った意義あるものであったと考えている。
|