研究課題/領域番号 |
20K06896
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
添田 義行 学習院大学, 理学部, 助教 (10553836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タウタンパク質 / 中間凝集体 / 神経変性疾患 / タウ / 中間凝集体抗体 / 顆粒状タウオリゴマー / 凝集 / 抗体 / アプタマー |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病等の認知症疾患では、タウタンパク質が異常に凝集し、脳内へ沈着することが発症の一因となる。タウ凝集体の最終形態は線維だが、その前に形成される中間凝集体が神経毒性を示すとされる。中間凝集体は様々な長さ・形態を持つ多様な分子種だが、どれが毒性本体かは十分に解明されていない。アプタマーという特定の物質と特異的に結合する核酸/ペプチド分子がある。アプタマーはタンパク質も標的にでき、阻害剤になり得る。 本研究では、タウ中間凝集体の様々な分子種に特異的に結合するアプタマーを作製する。その後、アプタマーのタウ凝集及び細胞死阻害効果を検討し、どのタウ凝集体が毒性と関連するかを同定する。
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研究成果の概要 |
複数の神経変性疾患において、タウタンパク質の線維状の凝集体が脳内に沈着する。線維形成前に生じる中間凝集体は多様な構造を持つが、その解明は十分に進んでいない。本研究では、タウ中間凝集体の病的意義を解明できるツールの開発を試みた。まず、アプタマーという一本鎖核酸に着目したが、期待するようなポジティブな結果は得られなかった。そこで、バックアップの抗体を用いて検討を行った結果、タウ中間凝集体に強く結合する抗体を同定した。さらに、細胞内で中間凝集体である顆粒状タウオリゴマーが形成する培養細胞を確立した。これらのツールを用いて今後は中間凝集体の病態意義の解明に取り組む。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢社会に伴ってアルツハイマー病等の神経変性型認知症は増加している。最近では、アミロイドβを標的としたアルツハイマー病疾患修飾薬が上市されたことが大きなニュースになっており、この分野の高い社会的関心を反映している。本研究では、もう1つの認知症原因主要タンパク質であるタウに着目した。その上で、タウによる病態形成メカニズムの解明を行うため、中間凝集体に着目して、毒性との関わりを解明しうるツールの開発を行った。このように、この研究は、社会課題の枠組みの1つである認知症を示す病気の病態メカニズムに迫れるツールを開発しているという点で社会的意義と学術的意義を有していると考えている。
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