研究課題/領域番号 |
20K06903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
大平 耕司 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 准教授 (80402832)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 成体神経新生 / 認知症 / アルツハイマー病 / 大脳新皮質 / 神経前駆細胞 / 神経新生 / ヒト |
研究開始時の研究の概要 |
大人の脳は、非常に再生しにくいことが昔からよく知られている。そのため、事故による損傷や疾病による特定の神経細胞の変性により、多くの人たちが後遺症や難治性神経精神疾患に苦しめられており、一刻も早い治療法の確立が望まれている。このような中で、申請者らは、成体げっ歯類や霊長類の大脳新皮質1層に神経前駆細胞 (L1-INP細胞)を発見した。本研究では、L1-INP細胞がアルツハイマー病の病態とどのような関係にあるのか明らかにする。これらの知見は、将来の認知症に対する細胞治療法の確立に向けた基盤となる。
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研究成果の概要 |
我々は、成体げっ歯類やマーモセットの大脳皮質に新しい神経前駆細胞を発見している (L1-INP cell; Ohira et al., 2010, 2019)。本研究では、L1-INP細胞がアルツハイマー病と関係しているのかどうか、組織学的手法を用いて解析を行った。 健常なヒトの死後脳の大脳皮質において、L1-INP細胞を検出した。さらに、アルツハイマー病患者死後脳と比較したところ、健常者より低い密度を示した。また、大脳皮質の領域間の密度を比較すると、側頭葉がより低値を示した。しかし、サンプル数が少ないため、今後増やしつつ、他の神経細胞の密度変化との相関性についても解析する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、L1-INP細胞が発見された動物種は、げっ歯類のラットとマウス、霊長類のマーモセットの3種であった。本研究により、高齢のヒトにおいて、L1-INP細胞を同定できたことは、今後の臨床応用にとって必須の知見である。さらに、L1-INP細胞の密度を、健常者とアルツハイマー病患者の死後脳で比較したところ、アルツハイマー病患者では低値を示すことがわかった。まだ解析したサンプル数が少ないために、慎重に研究を進める必要があるが、大脳皮質の神経新生が、アルツハイマー病の新しい病態である可能性が示唆された。
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