研究課題/領域番号 |
20K06926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
豊田 博紀 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (00432451)
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研究分担者 |
佐藤 元 明海大学, 歯学部, 講師 (10432452)
加藤 隆史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50367520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 島皮質 / ニコチン受容体 / 局所神経回路 / シナプス可塑性 / 錐体細胞 / EPSC / IPSC / dopamine / ニコチン性受容体 / ドーパミン / LTP / 神経回路 / シナプス長期増強 / シナプス長期抑制 / GABA / 味覚 / アセチルコリン / シナプス / 興奮性シナプス伝達 / ニコチン / シナプス伝達 / GABAニューロン / 情報処理 |
研究開始時の研究の概要 |
島皮質は味覚の受容において非常に重要な脳部位であるが、局所神経回路がどのように動作し、味覚の受容が行われているかについては未解明な点が多い。本研究では、島皮質ニューロンにおけるニコチン性アセチルコリン受容体(nicotinic ACh receptor: nAChR)の発現分布、島皮質ニューロンにおけるnAChRの電気生理学的性質、島皮質局所神経回路の動作機構(情報処理機構)におけるnAChRの役割、および島皮質が味覚刺激に応答する際のnAChRの役割を明らかにすることにより、島皮質における味覚情報処理の神経基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
島皮質においてはニコチン性受容体が発現しているが、局所神経回路の動作に及ぼす影響は不明な点が多い。本研究では、ニコチン性受容体の活性化によりマウス島皮質ニューロンのシナプス活動がどのように修飾されるかを検討した。その結果、島皮質第III層およびV層錐体細胞において誘導されるシナプス長期増強は抑制され、一方、第VI層錐体細胞において誘導されるシナプス長期増強は促進されることが明らかになった。以上のことから、マウス島皮質におけるシナプス活動は、ニコチン性受容体の活性化により層特異的に制御されることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、島皮質に発現しているニコチン性受容体が、層特異的にシナプス活動を制御していることを明らかにした。ニコチン性受容体が、島皮質局所神経回路の動作に及ぼす影響については不明な点が多く残されており、これまで層特異的に検討した研究はなかったため、学術的意義が高いといえる。本研究により、島皮質により媒介される高次脳機能の発現メカニズムの一端が明らかになるものと期待される。また、島皮質が関与するニコチン性受容体を介して生じる疾患、例えばニコチン依存症の発症機構の解明に繋がることが期待される。
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