研究課題/領域番号 |
20K06931
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
池田 弘子 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70297844)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 摂食調節 / 血糖調節 / ドパミン受容体 / 糖尿病 / ドパミン |
研究開始時の研究の概要 |
肥満や糖尿病といった生活習慣病は様々な合併症をひき起こし、患者のQOLを低下させる。肥満や糖尿病の改善のためには、食事量や血糖値の調節機構を正しく理解することが重要であるが、その調節機構については不明な点が多い。申請者はこれまでに中枢のドパミン神経が食事量や血糖値の調節に関与することを明らかにした。そこで本研究では、中枢のドパミン神経が食事量や血糖値を調節する機序について明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では中枢神経によるエネルギー調節機構を解明する一環で、中枢のドパミン神経による摂食調節および血糖調節について研究した。その結果、摂食調節を担う視床下部外側野のドパミンD1およびD2受容体は摂食行動を抑制的に調節することや、食の嗜好性に関わる側坐核のドパミンD2受容体は摂食行動には関与しないことが示唆された。また、視床下部外側野および側坐核のドパミンD2受容体は血糖上昇作用を有することが示された。さらに、1型糖尿病ではこの血糖上昇作用が認められなかった。以上より、中枢神経はエネルギー調節において重要な役割を果たし、糖尿病時にその調節機構が変化することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満や糖尿病といった生活習慣病は、その悪化により心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を合併することが知られる。肥満や糖尿病の対策としては、食事量を適切に保ち、血糖値を厳密にコントロールすることが有効である。本研究では、新たな調節機構として中枢のドパミン神経に着目し、視床下部ならびに側坐核に投射するドパミン神経が摂食行動や血糖値を調節することを明らかにした。肥満や糖尿病の罹患数は増加していることから、摂食調節や血糖調節のメカニズムの解明は、新たな治療戦略に繋がり、社会的意義は高いと考える。
|