研究課題/領域番号 |
20K06947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
矢内 光 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (10408685)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有機合成化学 / カスケード反応 / 多環式芳香族炭化水素 / 蛍光分子 / 複素環式芳香族化合物 / 連続反応 / 有機フッ素化学 |
研究開始時の研究の概要 |
複数の置換基がナフタレン骨格上に置かれた多置換ナフタレンは,天然物や他の生物活性分子の構造中に広く認められる。本研究では,こうした多置換多環式芳香族化合物の選択的合成を実現すべく,ラクトールシリルエーテル類を出発原料とする「環の巻きかえ」反応を開発していく。本手法では,官能基や置換パターンといった生成物の構造的多様性を確保できると考えている。
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研究成果の概要 |
芳香族ポリケチドは、複数の芳香環が縮環した多環式骨格上に多様な置換基が位置を定めて配置された構造をもち、生物活性に対する興味だけでなく、その効率的な化学合成法の開発の観点からも注目されている。本研究では、こうした合成難易度の高い多置換・多環式芳香族化合物の合成法として、「環の巻きかえ戦略」による体系的な連続反応の開発を行った。すなわち、種々の潜在的な反応性官能基を備えたラクトールシリルエーテル類を出発原料として用い、開環-閉環過程を経る連続反応を体系的に開発した。また、得られた生成物を用いて、多置換・多環式芳香族骨格に起因する新たな分子機能を探求した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来法での合成が困難な多置換・多環式芳香族化合物を高収率かつ高選択的に与える複数のカスケード反応を開発し、ラクトールシリルエーテル構造上に置く潜在的な反応性官能基の選択から、置換パターンや置換基の種類にバリエーションをもたらすという新たな合成戦略の提案を行った。また、多置換・多環式芳香族骨格に起因する新たな分子機能を探求した結果、その特異な分子構造によって始めて分子機能が発現するケースを見いだすこともできた。従って、本研究成果は、合成法の欠如から十分な検討が行われていなかった新化合物群へのアクセスと確立しただけでなく、化学合成の戦略や機能分子の開発指針にも一定の波及効果をもつと考えている。
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