研究課題/領域番号 |
20K07026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
大岡 嘉治 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (60303971)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | NRIP / Th9 / レチノイン酸 / リガンド依存的コリプレッサー / TGF-β / IL-9 / Smad3 / リガンド依存性コリプレッサー / アリルハイドロカーボン受容体 / ヘルパーT細胞 / コリプレッサー / 遺伝子発現制御 |
研究開始時の研究の概要 |
緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンAは生体内でレチノイン酸に代謝され、様々な重要な役割を果たしている。我々は、感染や病気がきっかけとなり生体内のレチノイン酸の局所濃度が低下すると、炎症を引き起こすような免疫細胞(炎症性ヘルパーT細胞)が出現し、気管支ぜんそくや食物に対して免疫反応が起きて蕁麻疹などを発症させる食物アレルギーを引き起こす可能性があると考えている。本研究では、レチノイン酸の局所濃度の低下が、どのような分子機構で炎症性ヘルパーT細胞の出現に関与しているか明らかにし、アレルギー疾患の治療に役立つような薬の開発に貢献することを目的としている。
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研究成果の概要 |
新規に同定された炎症性ヘルパーT細胞サブセットであるTh9細胞の分化は、レチノイン酸シグナルにより負に制御されていることが示唆されている。本研究では、Th9細胞の分化制御機構にリガンド依存的コリプレッサーが関与していることを想定し、探索を行った。その結果、Th9細胞には、リガンド依存的コリプレッサー:NRIPが特異的に発現していることを見出し、実際にIL-9遺伝子の発現抑制に関与していることを明らかにした。さらに、NRIP遺伝子のTh9細胞における制御機構について検討したところ、NRIP遺伝子の発現はTh9細胞分化誘導に必要なTGF-βシグナルとレチノイン酸を必要とする事が判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Th9細胞は主にIL-9を産生する新規に同定されたヘルパーT細胞サブセットで、気管支喘息等のアレルギー性気道炎症の病態に関与していることや腫瘍免疫への関与が報告されている。Th9細胞の分化制御にレチノイン酸による負の制御機構が関与することは知られていたが、その詳細な機構は明らかでは無かった。本研究において、リガンド依存的コリプレッサー:NRIPがTh9細胞のレチノイン酸による負の分化制御機構に関与していることを見出し、NRIP遺伝子の発現制御機構の一端を明らかにした。これらの研究成果はアレルギーや自己免疫疾患の新たな病態の解明や治療薬開発の分子基盤の構築にも貢献することが期待できる。
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