研究課題/領域番号 |
20K07033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
松永 俊之 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (80306274)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アルドケト還元酵素 / 薬剤耐性 / 乳がん / 前立腺がん / 抗がん剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞のがん化や薬剤耐性化に伴って発現上昇するアルドケト還元酵素に主眼を置き、1)ホルモン依存性がん細胞のホルモン療法剤や抗がん剤に対する耐性獲得への関与を明示するとともに、2)本酵素の特異的阻害剤の耐性克服における有効性を評価することを目的としている。また、これらの成果に今までの知見を総括することにより、薬剤耐性化を誘起しない新規アジュバント療法剤とそれを主軸としたホルモン依存性がん治療の新ストラテジーを提案する。
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研究成果の概要 |
本研究において、乳がん等のホルモン依存性がんの薬剤[タモキシフェン(TAM)とパクリタキセル(PTX)] 耐性獲得によりアルドケト還元酵素 (AKR) 1C3が高発現することを示した。また、乳がん細胞のTAM耐性化は抗酸化能、PTX耐性化は薬物排出能を高めた。さらに、それら阻害剤とAKR1C3阻害剤の併用はTAMやPTXに対する薬剤耐性を克服したことから、これら阻害剤の併用はホルモン依存性がんの薬剤耐性化を抑制するアジュバント療法として有用であると考えられた。また、AKR1C3阻害剤処理によるシスプラチン感受性化は乳がん治療におけるシスプラチンの適応外使用を可能にすると予測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国において罹患者数が年々増加している乳がん等のホルモン依存性がんは、概して薬剤感受性が低い上、連続投与に伴って容易に耐性化するため、薬剤耐性化を誘起しない画期的治療法の開発は急務である。本研究を通して、乳がんの薬剤耐性時に高発現するアルドケト還元酵素 (AKR) 1C3が薬剤耐性を誘発する主因であることを示した。また、本酵素の阻害剤を主軸とした他阻害剤との併用はホルモン依存性がんの薬剤耐性を抑制するアジュバント療法として有効であること、並びに乳がん化学療法への白金製剤の適応外使用を可能にすることを示唆した。本研究の更なる進展はホルモン依存性がんの根本治療法の確立に繋がると考えられる。
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