研究課題/領域番号 |
20K07061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
塩井 成留実 (青木成留実) 福岡大学, 理学部, 助教 (50510187)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 蛇毒液 / 阻害剤 / 毒ヘビ / 蛇毒咬傷 / ヘビ毒液 / 毒素阻害剤 / ヘビ血清タンパク質 / 毒性中和 / 有毒生物 / toxinology / 酵素阻害タンパク質 / 毒ヘビ咬傷 / Toxin / Inhibitor / venomous snake |
研究開始時の研究の概要 |
World Health Organization(WHO)は、2030年までにヘビ咬傷被害を50%減少させる事業計画を発表しました。ヘビ毒中の多種多様の生理活性物質の複雑性はヘビ咬傷被害の治療を困難にします。我々はこれまで世界に先駆けて毒ヘビ血液中から新規ヘビ毒素阻害タンパク質ファミリー群を発見し、それらの毒素阻害機構の解明および阻害に必須な領域の特定(低分子化)に成功してきました。本研究の目的は、申請者が見出したヘビ毒阻害タンパク質を基盤にヒトに対して安全でかつ安価な治療法の提案を目指し、毒素に対して高い特異性と安定性を持つ阻害物質の創薬基盤研究を展開します。
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研究成果の概要 |
本研究では、マムシ、エラブウミヘビ、無毒ヘビの毒腺(または唾液腺)および各組織のトランスクリプトーム解析を行い、信頼できる質の高いデータを得ることができた。さらに、ヘビ毒液中の毒性を大幅に高めるタンパク質の結晶構造解析に成功し、論文投稿という形でまとめた。有毒ヘビと無毒ヘビの比較解析からいくつかの毒ヘビ特有の候補遺伝子およびタンパク質に着目することができた。さらに、最終年度にはコブラ科毒ヘビの致死毒素であるスリーフィンガートキシンに特異的に結合する血清タンパク質を同定し、その結合能および阻害能の評価を行った。現在、立体構造解析を行うための結晶化を行っている。全体的に、順調に研究を推進できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
WHOはヘビ咬傷被害は年間約2.7百万人、死者14万人という実態を明らかにし、世界的な支援を求めている。ヘビ咬傷治療は、ヘビ毒液を免疫したウマの抗血清投与である。しかし、その治療はアナフィラキシーショックなど致死的副作用および抗血清の価格が高すぎるなどの問題点がある。本研究では代表者が見出したヘビ毒阻害タンパク質を基盤にヒトに対して安全でかつ安価な治療法の提案を目指しており、毒素に対して高い特異性と安定性を持つ阻害物質の創薬基盤研究である。構造学的分子メカニズムの解明は、具体的な創薬デザインを可能とするだけでなく、毒ヘビに関する研究や医学、生物学の分野において重要な貢献となることが期待される。
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