研究課題/領域番号 |
20K07063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鳴海 克哉 北海道大学, 薬学研究院, 講師 (90746752)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メトトレキサート / アルデヒドオキシダーゼ / 一塩基多型 / 肝障害 / 薬物相互作用 / SNP / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
メトトレキサート (MTX) は幅広い疾患に対して汎用される薬剤であるが、その体内動態や副作用発現には個体差が存在する。本研究では、MTXによる副作用、特に臓器障害の個体差に焦点をあてその要因を明らかにするべく、毒性発現機序の一つとしてMTXの体内動態に関わる薬物動態制御因子の複合的な関与を検証し、臓器障害を予測するエビデンスを構築することによりMTXの副作用回避を指向した個別化療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、メトトレキサート(MTX)による肝障害の個体差に焦点をあてその要因を明らかにするべく検討を行った。HepG2細胞を用いた検討において、MTX誘発性肝障害はアルデヒドオキシダーゼ(AOX)の機能低下により増強することが示唆された。また、AOX1遺伝子のSNP解析により東アジア人に多いT755I変異がAOXの酵素活性を顕著に低下させることが明らかとなった。有害事象自発報告データベースFAERSを用いた解析によりAOX阻害作用を有する薬剤の併用がMTXによる肝障害の発生頻度を上昇させることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓においてMTXはAOXを介してより毒性の低い7-OH-MTXに代謝されることが知られている。本研究の結果から、先天的にAOX活性が低い患者やAOX阻害作用を有する薬剤を併用している患者では、MTXの代謝が低下し肝毒性が増強する可能性が示された。MTXは比較的安価な薬剤であり、その汎用性を考慮すると、MTXの適正使用を指向した本研究の社会的意義は大きいと考えられる。
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