本研究では、メトトレキサート(MTX)による肝障害の個体差に焦点をあてその要因を明らかにするべく検討を行った。HepG2細胞を用いた検討において、MTX誘発性肝障害はアルデヒドオキシダーゼ(AOX)の機能低下により増強することが示唆された。また、AOX1遺伝子のSNP解析により東アジア人に多いT755I変異がAOXの酵素活性を顕著に低下させることが明らかとなった。有害事象自発報告データベースFAERSを用いた解析によりAOX阻害作用を有する薬剤の併用がMTXによる肝障害の発生頻度を上昇させることを見出した。
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