研究課題/領域番号 |
20K07081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
安東 嗣修 金城学院大学, 薬学部, 教授 (50333498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 痒み / 好塩基球 / セリンプロテアーゼ / エオタキシン / レチノイン酸 / ヒスタミン / セロトニン / ストローマ細胞由来因子 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎の痒みの発生機序は未だ完全には明らかとなっていない。アトピー性皮膚炎皮膚には,多くの免疫系の細胞が浸潤していることが知られている。そこで,本研究では,アトピー性皮膚炎の痒みの発生への好塩基球の関与に関して,好塩基球から産生遊離される痒み因子や増強因子の同定,好塩基球の皮膚への集積の機序,現在使用されている医薬品の中から好塩基球の制御に有用な薬品の探索を行い,その成果を臨床へ応用する。
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研究成果の概要 |
アトピー性皮膚炎の痒みの発生に好塩基球並びにそこから遊離される因子に関与するか、アトピー性皮膚炎マウスモデルを用いて検討した。アトピー性皮膚炎マウスモデル皮膚では、健常皮膚と比べて好塩基球が増加していた。アトピー性皮膚炎マウスモデルへの好塩基球除去抗体の投与により自発的掻き動作が減少した。好塩基球から遊離されるセリンプロテアーゼなど痒み反応を誘発したが、レチノイン酸などは痒み反応を誘発しなかった。さらに、線維芽細胞から遊離されるエオタキシンが、好塩基球の遊走に寄与する可能性を見出した。以上のことから、アトピー性皮膚炎皮膚において増加した好塩基球がその痒み寄与することが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎は、慢性の炎症性皮膚疾患であり、その症状に非常に耐え難い「痒み」がある。痒みによる掻爬は、皮膚炎のさらなる悪化に加え、不眠やそれに伴う労働生産性の低下などが問題となっている。したがって、痒みの抑制は非常に重要であるが、古くから痒みの発生に関与するとされるマスト細胞からのヒスタミンに対する抗ヒスタミン薬はアトピー性皮膚炎の痒みに無効である場合が多く、新規の痒み因子の探索が望まれている。本研究により、アトピー性皮膚炎の痒みの発生機序に新たに好塩基球が重要であること、そこから遊離される因子が痒みの発生に寄与することを見出したことは、学術的にも社会的にも意義あるものである。
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