研究課題/領域番号 |
20K07083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
三宅 歩 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (40346044)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 摂食 / 視床下部 / 分泌因子 / エネルギー代謝 / 脂肪組織 / 摂食制御 / 摂食抑制 / AgRP / Npy / 脳・神経 / マウス / bmp |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、視床下部の摂食制御神経の形成における分泌タンパク質Brorinの機能と摂食調節機構におけるBrorinの生理的機能を明らかにし、さらに視床下部の神経形成におけるBrorinの機能と摂食調節機構との関連性についても明らかにすることを目的としている。本研究により、視床下部神経形成におけるBrorinの役割および摂食制御機構におけるBrorinの役割を解析して、Brorinの関与する視床下部神経形成が摂食行動を制御する機構を解明し、摂食障害の発症機構と病態の解明に貢献する。
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研究実績の概要 |
Brorin は視床下部の弓状核に高発現しており、Brorin遺伝子を欠損した雄マウスは野生型マウスと比べて5週齢から体重が増加することが分かっている。さらに、Brorin遺伝子欠損雄マウスでは摂食量も野生型マウスと比べて有意義に増加していることが分かっている。また逆転写qPCR法により、22週齢のBrorin遺伝子欠損雄マウスでは視床下部において摂食促進ペプチドであるAgRP及びNpyの発現量が野生型マウスに比べて有意に増加し、また摂食抑制に関与する遺伝子POMCの発現量もBrorin遺伝子欠損マウスの視床下部において増加傾向を示すことも分かっている。 昨年度までに申請者らは、in situ hybridization法により22週齢のBrorin遺伝子欠損雄マウスの弓状核においてNpyの発現領域に変化は見られないが、面積あたりの発現細胞数及び相対発現強度が野生型マウスに比べて増加していることを明らかにしている。Npyと同様に、Brorin遺伝子欠損雄マウスの弓状核におけるAgRP及びPOMC の発現についても相対発現強度に差は認められないが、面積あたりの発現細胞の数は共に有意に増加していることも明らかにしている。さらに、Brorin遺伝子欠損雄マウスの腸管膜脂肪組織ではエネルギー代謝関連遺伝子の発現量が野生型マウスに比べて有意に増加していることも明らかにしている。 今年度は、雌マウスにおいてもBrorinが摂食制御に関与しているかについて明らかにするために、Brorin遺伝子を欠損した雌マウスについて体重の変化を調べた。12週齢まで測定したところ、Brorin遺伝子欠損雌マウスと野生型マウスとの間で体重に差は認められなかった。Brorinの摂食制御における役割には、性差があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に沿って研究を進めることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究推進方策に従い、視床下部の摂食制御に関わる神経細胞の分化におけるBrorinの役割について明らかにする。
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