研究課題/領域番号 |
20K07094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
太田 紘也 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40638988)
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研究分担者 |
喜多 紗斗美 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (10461500)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マクロファージ / Ca2+ / ミトコンドリアCa2+輸送体 / M1/M2分極化 / サイトカイン産生 / NCLX / ミトコンドリア / カルシウムイオン / カルシウム代謝 / MCU |
研究開始時の研究の概要 |
マクロファージは一般的には炎症を誘導性と見做されるが、近年では抗炎症作用を示すマクロファージの存在が明らかになり、M2マクロファージと総称される。M2マクロファージは、がんやメタボリック症候群などの様々な病気の発症に関わることが明らかになり、マクロファージの分極化(M1/M2)を制御機構に関する研究が注目されている。 本研究では、ミトコンドリアNa+/Ca2+交換輸送体(NCLX)がM2マクロファージで高発現することを踏まえ、ミトコンドリアのCa2+輸送体によるミトコンドリアのCa2+動態制御と、マクロファージの分極化および機能発現の関連性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、骨髄由来マクロファージのM1/M2分極化およびサイトカイン産生におけるミトコンドリアNa+/Ca2+交換輸送体(NCLX)の関与について検討した。その結果、IFN-γによるM1分極化およびIL-4によるM2分極化に対してNCLX阻害薬CGP-37157は影響しなかったことから、マクロファージの分極化にNCLXは関与しないと考えられた。また、LPS刺激で誘発されるM1マクロファージによるIL-6産生およびM2マクロファージによるIL-10産生に対してもCGP-37157は影響しなかったことから、マクロファージによる炎症反応の調節にNCLXが直接的に関与する可能性は低いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マクロファージの分極化制御機構の解明は、マクロファージの多様な生理機能や病態への関与を明らかにする上で重要な課題である。M2マクロファージでNCLX発現が増加していたことから、分極化や細胞機能へのNCLXの関与について検討したが、M1/M2分極化やサイトカイン産生はNCLX活性阻害により影響が見られなかった。しかしながら、M2マクロファージからのケモカイン産生を介した血管細胞との連関において、NCLXが関与する可能性を示す知見を得ている。この結果は、マクロファージのミトコンドリアCa2+輸送が血管病変に関与する可能性を示すものであり、病態メカニズムの解明や治療への応用につながると考えられる。
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