研究課題/領域番号 |
20K07119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
荒木 良太 摂南大学, 薬学部, 講師 (90710682)
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研究分担者 |
矢部 武士 摂南大学, 薬学部, 教授 (40239835)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発達障害 / 漢方薬 / 腸内細菌 / 脳腸相関 / 抗菌薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、自閉症やADHDなどの発達障害が急増しており、大きな社会問題となっている。これら発達障害の原因は未だ明らかとなっておらず、十分な治療法も確立されていない。一方で、発達障害に対して漢方薬が有効性を示す例が報告されている。しかしながら、発達障害に対する漢方薬の作用については科学的根拠に乏しく、現状、漢方薬が十分に活用されているとは言い難い。こうした背景から本研究では、発達障害に対する漢方薬の作用に関する科学的根拠を集積することを目的に、発達障害と類似した特徴を持つモデル動物を用いて、行動薬理学的解析、神経化学的解析、エピゲノム解析、腸内細菌叢解析といった多角的な解析を行う。
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研究成果の概要 |
臨床現場では発達障害に対して様々な漢方薬が使用されている。本研究では、漢方薬がどのように発達障害の症状を軽減するのかを明らかにするために、基礎的な研究を行った。 隔離飼育マウスを用いた検討から、加味温胆湯は多動などの症状を抑制することが示されたが、その作用は対症療法な側面が強い可能性が示された。 また、腸内細菌叢のかく乱により社会性が低下したマウスを用いた検討から、回腸の抗菌ペプチドのReg3ファミリーの発現減少が間接的に脳の発達に関与する可能性が示された。さらに、回腸の抗菌ペプチドのReg3ファミリーの発現を誘導する漢方薬として補中益気湯を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床において、様々な漢方薬が重い副作用を伴わずに発達障害に対して有効性を示す症例が報告されており、漢方薬が発達障害治療の選択肢の1つになり得るものと考えられる。しかしながら、根拠に基づく医療が重視される現代医療では、科学的根拠に乏しい漢方薬が十分に活用されているとは言い難い。本研究成果をさらに発展させることにより、精神症状に対して対症療法的に使用できる漢方薬や、腸内細菌叢の乱れている発達障害に対して腸の異常から精神機能の異常を改善できる漢方薬を科学的に示せるものと考えられる。
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