研究課題/領域番号 |
20K07122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
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研究分担者 |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周病菌 / 糖化最終生成物 / ウィキョウ / ペトロセリン酸 / プレニルフラボノイド / ホップ / グリーンルイボス / ウイキョウ / 食品素材 / 歯周病原菌 / プレニル誘導体 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は口腔のみならず、糖尿病や動脈硬化症などの全身疾患の誘因となることが近年明らかとなり、社会的にも公衆衛生学的にも歯周病対策の重要性は高まっている。さらに、糖化終末化合物 Advanced glycation end products (AGEs)の蓄積が歯周病の増悪因子となることが明らかになった。そこで、著者は、コラーゲンに特異的に蓄積する AGEs構造体の CMAに着目し、CMA の生成を抑制するとともに歯周病原菌Pgの増殖抑制する天然素材の探索を行い、歯周病と歯周病関連の全身疾患を予防・改善できる有効な食品関連素材の開発を企図した。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、歯周病菌の増殖抑制活性物質の探索、ならびに、糖化最終産物の生成を阻害する化合物の探索を行った。 歯周病菌Porphyromonas gingivalis(以下、Pgと略)増殖抑制活性の観測されたウィキョウのヘキサン抽出物(HEF)の詳細な分離精製の結果、ペトロセリン酸(cis-6-octadecenoic acid)をHEFの主要な抗菌性化合物として同定した。さらにHEFの抗菌活性について検討した結果、Pgに対して迅速な溶菌活性とタンパク質分解酵素ジンジパイン阻害活性という2つの異なる重要な作用があることがわかった。また、HEFは細菌表面のダイナミクスに影響を与え、押し出し型のナノ構造体の出現やOMVの過剰産生をもたらすことが示された。さらに、HEFはRagA/RagBに富むOMVの細胞外放出を引き起こすことで、Pgに必須のRagA/RagB輸送機構を劇的に枯渇させることも明らかになった。 飲食可能な抗糖化素材の探索の一環として、プレニル誘導体の豊富なホップについて活性化合物の同定を目的に成分研究を行った。抗CMA(Nε-(carboxymethyl)arginine)抗体を用いたELISA法によるCMA生成阻害試験を指標に各種クロマトグラフィー(分子篩カラムSephadex LH-20、分取HPLC(ODS、Phenyl、HILIC等))を繰り返し分離精製を行った。その結果、ホップの代表成分であるキサントフモールをはじめとするプレニルカルコン、プレニルフラボノイド類を7種類得ることができた。各化合物のCMA生成阻害活性はイカリソウより得られたプレニルフラボノイドepimedokoreanin Bに比べて弱いながらもキサントフモールDに最も強い活性が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯周病菌増殖抑制活性物質としてペトロセリン酸を同定すると共にその歯周病菌Pg菌に対する阻害メカニズムについて詳細に検討することができた。これまでの検討より、ウィキョウのヘキサン抽出物が優れた抗歯周病改善素材であることを明らかとすることができた。さらに、抹茶エキスの有効化合物の検討を行っている。 抗糖化活性物質の探索においては、当初予定していたグリーンルイボスの高分子画分の化学構造の検討が未解決であるが、イカリソウの活性化合物epimedokoreanin Bに特徴的な化学構造プレニル基を有する化合物が得られるホップについて、新たにCMA生成阻害活性を指標とした成分研究を行った。そして、7種のプレニル誘導体を単離し生成阻害活性を評価することができた。また、飲食可能な生薬や食品素材のエキスを調製し、新たな活性化合物を得る試みも展開している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの共同研究より、抗糖化活性物質の探索として単離したイカリソウのプレニルフラボノイドが歯周病菌増殖抑制活性もあることが判明した。そこで、本研究の最終年度である次年度は、イカリソウやホップに含まれるプレニル誘導体の歯周病菌増殖抑制活性の評価を行い、構造活性相関の知見を得ることを目指す。また、抗糖化活性物質の探索研究においては、引き続きプレニル基を有するホップの未精製活性画分の精製を行うと共に,更なるプレニル基含有素材の抽出分離も計画している。また、エキスライブラリーの充実を行い、新たなカテゴリーの化合物を抗糖化物質として探索できないかの検討も行っていく計画である。
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