研究課題/領域番号 |
20K07148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中岡 貴義 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (80549569)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | PETイメージング / 胎盤輸送 / 薬物トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
胎児の安全性を鑑みて妊婦に対する薬物投与は十分に慎重になるべきであるが、妊娠中に薬物療法が必要となるケースは少なくない。胎児の安全を確保しつつ妊婦のQOLを向上させるためには、医薬品の胎児移行性に関する情報の整備が望まれる。ポジトロン断層撮影法は低侵襲ながら高い定量性を持つイメージング技術であり、生きたまま胎児中の薬物濃度を測定することを可能にしている。本研究では、ラットを用いてin vivoでの薬物の胎児移行性を直接測定することで、臨床応用に向けた薬物の胎盤輸送評価系の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
[18F]pitavastatinおよび[11C]verapamilを用いたPETイメージングにより、妊娠ラットの胎児/胎盤への集積を生体内で生きたまま測定した。[18F]pitavastatinは投与から約30秒で最大濃度に達した後、速やかに胎児/胎盤から排出され、投与から3分後にはほぼバックグラウンドレベルまで低下した。トランスポーターの阻害薬を投与することでその排出が緩やかになる傾向が見られた。また、妊娠後の日数によって集積量が異なっていた。[11C]verapamilは[18F]pitavastatinに比べて緩やかに胎児/胎盤から消失していき、両プローブの動態の違いを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、PETイメージングを用いてラットの胎児/胎盤への薬物の集積や消失を定量的に評価できることを示した。PETイメージングは高感度かつ非侵襲的に生体組織内の薬物濃度を測定することが可能であり、母体や胎児の被ばく線量はかなり少なく抑えられると考えられている。将来的にはこれらの手法を臨床に応用することで、医薬品の胎児移行性に関する情報を整備することができるだけでなく、患者ごとの薬物動態の違いを反映した投薬設計を行うことが可能になり、より安全に妊婦への投薬が行えるようになることが期待される。
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