研究課題/領域番号 |
20K07170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
鎌内 朋子 (森山朋子) 第一薬科大学, 薬学部, 講師 (90400134)
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研究分担者 |
有竹 浩介 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (70390804)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プロスタグランジンD2 / 糖尿病性皮膚潰瘍 / プロスタグランジン合成酵素 / 創傷治癒遅延 / ランゲルハンス細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
創傷治癒遅延は、糖尿病患者に見られる合併症の一つであり、難治性である。創傷治癒遅延の原因として、虚血に伴う血管再生能の低下が考えられており、血管新生・抑制因子の発見、あるいはその応用による治療開発に大きな期待が集まっている。これまでに、高血糖状態の皮膚において HPGDSの発現が誘導され、HPGDSを阻害すると創傷治癒が促進されることを見出した。このことから、PGD2 は創傷治癒遅延や血管新生抑制に関わる重要な因子である可能性が考えられる。本研究では、糖尿病の皮膚におけるPGD2シグナルが血管新生抑制に関与し創傷治癒遅延を起こすことを証明する。
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研究成果の概要 |
高血糖状態の皮膚においては表皮ランゲルハンス細胞で造血器型PGD合成酵素(HPGDS)の発現が増加していることを証明した。HPGDS阻害剤を糖尿病マウスに投与すると創傷治癒が促進することが分かった。また、PGD2受容体であるDP1受容体はケラチノサイトに発現しており、糖尿病マウスにDP1受容体拮抗薬を投与すると部分的に創傷治癒遅延が改善することが分かった。これらの成果から、高血糖状態の皮膚では表皮ランゲルハンス細胞でHPGDSにより産生されたPGD2がケラチノサイトのDP1受容体を介して創傷治癒遅延に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性皮膚潰瘍といった創傷治癒遅延は、非常に難治性であり、重症になると患部の切断を避けられない。また切断後はQOLが低下するばかりか感染症等を高頻度に発症し、生命予後は不良であり、糖尿病性皮膚潰瘍に対する有効な治療薬の開発が社会的急務となっている。本研究において、高血糖状態の皮膚では表皮ランゲルハンス細胞でHPGDSにより産生されたPGD2がケラチノサイトのDP1受容体を介して創傷治癒遅延に関与していることが示唆された。従ってHPGDS阻害薬やDP1受容体拮抗薬が糖尿病性皮膚潰瘍の治療薬になることが期待される。
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