研究課題/領域番号 |
20K07184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中澤 洋介 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (60411708)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 老視 / 老眼 / aging / 水晶体 / TRPVチャネル / 白内障病型 / 温度 / 白内障 / 老視(老眼) |
研究開始時の研究の概要 |
老眼(老視)は一般的に40歳-50歳から発症し、100%の罹患率をもつ眼疾患である。根本的な治療法はなく、近距離作業の際は老眼鏡などを用いて見えにくさを補っている。日本がこれから直面する“超高齢化社会”において、白内障/老眼患者は増加することが容易に予想され、老眼基礎研究・抗老眼薬の開発は重要な課題である。白内障は世界失明原因の第一位であるため、世界中で抗白内障薬の探索が盛んに行われているが、申請者は老眼の抑制が、白内障発症遅延を引き起こし、世界の失明から守ると推察している。 本研究により老眼基礎研究の飛躍的向上と、抗老眼薬の開発の基盤を作り、明るい視野と健康な老後生活に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究は、水晶体でのTRPVチャネルの機能解析と老視発症メカニズムについて検討を行った。これまでに水晶体のTRPVチャネルの局在を明らかにしており、本研究ではその局在に与える因子について検討を行った。その結果、外部温度や毛様体筋からの刺激圧変化によって局在が変化することを明らかにした。また、抗白内障候補化合物であるa-グルコシルヘスペリジンを自由飲水させるとマウス水晶体の弾性低下が抑制され、同時にTRPV4の局在が変化することを見出した。さらに、TRPV1のアゴニストを点眼するとある種の白内障発症が抑制されることを見出し報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
老視の世界人口は年々増加しており、2030年には人口の25%が老視に悩まされると推察されている。また我が国日本においても高齢者雇用安定法が改正・施行されたとから、高齢者の視機能はますます重要な課題となってくる。さらに“健康日本21プロジェクト”で掲げている健康寿命延命に向けても視機能の維持は欠かせない。 本研究遂行により、水晶体のTRPVチャネルの役割が明らかとなりまた、老視モデル動物の基盤を作ることができた。2023年現在、日本で老視に適応可能な医薬品は存在しない。本研究が基盤となり、モデル動物が開発されれば、老視薬物治療開発が飛躍的に伸び、健康寿命の延伸に大きく貢献できると確信している。
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