研究課題/領域番号 |
20K07190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藤田 卓也 立命館大学, 薬学部, 教授 (00247785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | クエン酸 / クエン酸輸送 / クエン酸トランスポーター / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / SLC13A5 / 糖尿病 / 肥満モデルマウス / Na依存性ジ・トリカルボン酸トランスポーター / 中枢移行性評価 / 血液脳関門(BBB) / Na+依存性クエン酸トランスポーター / クエン酸回路 / 中枢神経系 / Canavan病 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞は、神経伝達物質の細胞内プールにおける再生産を細胞外に存在するクエン酸回路中間体を利用して行っている。α-ケトグルタル酸やマレイン酸などのクエン酸回路中間体はアストロサイトで合成された後、神経伝達物質前駆体として神経細胞へ輸送されるが、その輸送機構の詳細は不明である。本研究では、こうしたクエン酸回路中間体を神経細胞内に輸送するNa+-依存性クエン酸トランスポーター (NaCT) の輸送活性調節機構と発現調節機構を明らかにすることで NaCT の中枢系での病態生理学的役割を解明し、基質輸送と Li+ との相互作用を検討することで Li+ 治療を行うための基礎的な情報を収集する。
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研究成果の概要 |
マウス大脳皮質初代培養神経細胞、アストロサイトを用いた検討により、中枢においては、アストロサイトにおいてクエン酸回路中間体を細胞外に放出する経路が有機アニオントランスポーターOAT3を介したものである可能性が示された。これらはアストロサイトが脳内においてクエン酸回路中間体の供給源となることを示しており、ニューロンを取り巻く環境を維持するための重要な輸送機構であると考えられる。 一方、1型糖尿病モデルマウスを用いた検討から、Na依存性クエン酸トランスポーターNaCTは1型糖尿病において肝臓での発現が低下することから肝臓への脂質蓄積には寄与していないことを明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中枢におけるニューロンとアストロサイト間での神経伝達物資の合成や神経活動に必要なエネルギー供給機構の解明は、未だに十分な治療成績や治療薬が開発されていない認知症やてんかん等の新規治療法の創生の一助になると考えられる。一方で、糖尿病時の肝臓でのクエン酸トランスポーターの機能調節機構に関する検討により、脂質合成の促進に関与することや非アルコール性脂肪肝への関与も示されていることから、糖尿病に付随する代謝性疾患の新規治療戦略の構築に有益な情報を提供できた。
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