研究課題/領域番号 |
20K07262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
椛 秀人 高知大学, 医学部, 名誉教授 (50136371)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 環境生理学 / 神経科学 / 個体認識 / 匂い / 鋤鼻系 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠雌マウスが交配雄とは異なる系統の雄の匂いに曝露されると妊娠の進行が止まり、流産してしまう(ブルース効果)。一方、雌マウスは交尾を契機に交配雄フェロモンの刷り込み学習(主座:副嗅球)を成立させ、妊娠を保障している。我々は最近、個体認識の手がかりとなる匂い分子としてミトコンドリアペプチドを同定した。本研究では、1)副嗅球の単一細胞の学習後の変化を捉える、2)ブルース効果の母性遺伝について行動学的解析を行う、3)ミトコンドリアペプチドに対する副嗅球僧帽細胞の神経アンサンブル活動応答を解析することにより、ブルース効果および学習後に妊娠の保障に帰結する出力信号の解読を行う。
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研究成果の概要 |
本研究で研究代表者は、(1)ND1ペプチドとND2ペプチドのアミノ酸配列が異なるBALB/cとNZBの間では、ブルース効果が母性遺伝すること、ND1ペプチドとND2ペプチドのアミノ酸配列が同じであるBALB/cとCBAの間ではブルース効果は母性遺伝しないこと、(2)バゾプレッシンが、顆粒細胞の電位依存性Ca2+チャネルを抑制することによりGABA放出を抑制し、代わって僧帽細胞から顆粒細胞へのグルタミン酸作動性伝達を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、嗅覚を介した動物間コミュニケーションの実態解明に大きく寄与すると共に、ミトコンドリアゲノム由来ペプチドが“自己か非自己か”を認識する際の原因となり得ることから、嗅覚系と免疫系との新たなクロストークの場を提供し、MHCによる体臭の違いがヒトの配偶者選択に影響を及ぼすように、ヒトにおける嗅覚コミュニケーションの新たな発見にも繋がり得る。
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