研究課題/領域番号 |
20K07275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 昭和大学 (2021-2023) 奈良女子大学 (2020) |
研究代表者 |
内田 有希 昭和大学, 医学部, 助教 (50634002)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | TREK / エストロゲン / プロゲステロン / オスタルチン / 体温調節 / 冷え症 / 代謝 / 女性ホルモン / TREK2 / TREK1 / 寒冷応答 / 冷え性 / 冷受容分子 |
研究開始時の研究の概要 |
若年女性の冷えの要因として、月経周期に伴う血中エストラジオール(E2)濃度変動が考えられる。体温調節は自律性と行動性に分類される。寒冷時、E2が視床下部内側視索前野に作用し、自律性体温調節を促進することを報告した。また、新たな体温調節行動指標を発見し、E2が体温調節行動を促進することを報告した。さらに、E2と月経周期は末梢冷受容分子TRPM8を介し寒冷時体温調節に影響することを報告した。
本研究は、今までの研究を発展させ、雌ラットで女性ホルモンの新規冷受容分子TREKを介した影響を、若年女性で月周期がTREKを介した温熱的不快感と体温調節へ及ぼす影響を解析し若年女性の冷えのメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
女性の冷えのメカニズムを女性ホルモンと新規冷受容分子TREKに着目して明らかにすることを目的とした。卵巣摘出ラットにおいて、エストロゲン(E2)はTREK作動薬(オスタルチン)投与時の体温上昇を促進した。TREK作動薬は尾部皮膚からの熱放散を抑制し、エストロゲンはその作用を強める傾向がみられた。E2は脊髄後根神経節のTREK1 mRNAなどを上昇させ、TREK作動薬は感覚神経の興奮を促進した。一方、卵巣摘出ラットにおいて、プロゲステロンはTREK作動薬投与時の体温調節反応に影響しなかった。女性でプロゲステロンではなくE2がTREK1を介し、冷えを感じやすくし、体温を上げることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TREK作動薬オスタルチンは、ベトナムに自生するパラミニヤトリメラという植物の根に含まれる成分であり、この植物は伝統医学において癌治療に用いられている(10.1002/cbdv.201600498)。本研究では、雌性動物におけるオスタルチンの体温上昇作用を初めて明らかにした。この結果は、薬理学的な観点から学術的な重要性を持つと考えられる。さらに、エストロゲンによってTREKチャネルがターゲットとされる更年期の体温調節異常や若年女性の冷えに関する治療薬の開発に貢献する可能性があり、社会的意義があると考えられる。
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