研究課題/領域番号 |
20K07278
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
高柳 友紀 自治医科大学, 医学部, 講師 (10418890)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | オキシトシン / 思春期 / 社会行動 / 遊び / ラット / 社会性 / 幼少期 / 社会的遊び |
研究開始時の研究の概要 |
幼少期の社会的遊び行動が社会性の発達を促す神経基盤はほとんど明らかになっていない。本研究では、「幼少期の社会的遊びによりオキシトシン神経回路が可塑的に機能亢進することで成熟後の社会行動が促進される」という仮説を検証する。そのため、遺伝子改変ラットとアデノ随伴ウイルスベクターを組み合わせ、オキシトシン神経回路を選択的に可視化あるいは操作し、社会的遊びによる社会行動制御回路の発達機序を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
社会性の発達には幼少期の社会的遊びが重要であることが知られているが、この神経基盤はほとんど明らかではない。これまでに、ラットの社会的遊び行動時にオキシトシン産生ニューロンが活性化されること、社会的遊びを阻害すると成体で社会的相互作用が阻害されること、幼少期のオキシトシン受容体の活性化が正常な社会行動の発達に必須であることを示してきた。本研究の目的は、「幼少期の社会的遊びによってオキシトシン神経回路が可塑的に機能亢進し、成熟後の社会行動が促進される」という仮説を検証することである。 幼少期の遊び行動におけるオキシトシンーオキシトシン受容体システムの機能を明らかにする目的で、オキシトシン受容体遺伝子欠損雄ラットの行動を解析した。快情動を示す50kHz帯の超音波発声数については野生型との間に差はなかったが、遊び行動の詳細な解析を現在進めている。また、オキシトシン受容体-Venusノックインラットを用いて、成体と幼少期の脳におけるオキシトシン受容体の詳細な発現解析を行っている。成体においてマウスとは発現パターンが異なる部位を確認しており、ラット特有の行動や生理機能に関わっている可能性があると考えている。このラットを用いて幼少期の遊び行動時あるいは成熟後の寄り添い行動時に活性化されるオキシトシン神経回路を同定する。さらに、遊び行動で活性化されたオキシトシン神経回路が可塑的に機能亢進するかを明らかにするため、神経活動依存的に目的遺伝子発現を誘導できるFosTRAPラットを作製した。PCR解析、DNAシーケンス解析、サザンブロット解析、デジタルPCR解析を行い、標的遺伝子が1コピーのみ正しくc-fos遺伝子座に挿入されたラインを確立した。現在はこのラットについて、神経活動依存的な細胞標識の効率と特異性の検証を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子改変ラットの交配がうまく進まず、時間がかかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
オキシトシン受容体-Venusノックインラットを用いて、幼少期の遊び行動で活性化されるオキシトシン受容体発現ニューロンを同定する。FosTRAPラットを用いて、幼少期の遊び行動で活性化されるオキシトシン関連ニューロンが成熟後の社会行動で活性化されるかを検証する。幼少期に社会的遊びを阻害したラットに対して、人工受容体を用いてオキシトシン神経回路を操作し、その効果を検証する。
|