研究課題/領域番号 |
20K07290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
和氣 秀徳 近畿大学, 医学部, 講師 (60570520)
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研究分担者 |
勅使川原 匡 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (40403737)
王 登莉 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40815693)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 高ヒスチジン糖タンパク質 / 敗血症 / 2価鉄イオン / 血管内皮細胞 / 細胞死 / HRG / 血管内皮障害 / グリコカリックス |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はHistidine-rich glycoprotein (HRG) が、生体恒常性の維持において極めて重要な働きをする血漿タンパクであることを証明してきた。特に敗血症病態では、血漿HRGの低下が全身性の好中球を基点とした免疫血栓形成を引き起こし、多臓器不全の惹起を通じ死につながることを解明した。しかしながら、敗血症病態の理解において重要となる血管内皮細胞障害とHRG作用の詳しいメカニズムについては明らかとなっていない。本研究では、敗血症病態における血管内皮細胞障害とHRGの血管内皮細胞保護効果の本態を解明する。また、申請者らが同定したHRGレセプターとの関係性についても明らかにする。
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研究成果の概要 |
敗血症病態の増悪化に関与する2価鉄イオンによる血管内皮細胞障害は、2価鉄イオンによる小胞体ストレス応答よりミトコンドリアが障害され、その結果発生するミトコンドリア由来活性酸素により細胞膜が酸化し、膜が傷害されることで引き起こされることが明らかとなった。また、血漿糖タンパク質Histidine-rich glycoprotein(HRG)は、上記2価鉄イオンによる血管内皮細胞障害において、小胞体ストレス応答を抑制することにより、細胞保護効果を発揮することも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、有効な治療薬の存在しない敗血症病態において、HRGは非常に有望な治療薬候補となる。また、2価鉄イオンによる血管内皮細胞障害機序が明らかにされたことは、今後、重篤な組織・細胞傷害により誘発される細胞死反応をコントロールするための知見が得られたということであり、関連病態の治療薬・治療法開発の一助となる。
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