研究課題/領域番号 |
20K07298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
高野 直治 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80445410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オートファジー / リソソーム / がん / マクロライド |
研究開始時の研究の概要 |
近年オートファジー阻害薬のがん治療応用が注目を集めているが、臨床試験が進行中の薬剤はHCQのみで、より安全で有効性の高いオートファジー阻害剤の開発が望まれる。応募者らは日常臨床で使用されているマクロライド系抗生物質のアジスロマイシン(AZM)にオートファジー阻害効果があることを報告し、また、AZM単剤では細胞毒性を示さないが様々な抗がん剤との併用でがん細胞に対する殺細胞効果が増強することを示してきた。本研究では、AZMによるオートファジー阻害の分子機構を明らかとし、マウスモデルを用いて各種抗がん剤との併用による抗腫瘍効果の増強を検証し、AZMの新規オートファジー阻害剤としての基盤形成とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシン(AZM)が細胞骨格との相互作用を介してリソソームの成熟を阻害しオートファジーを阻害することを明らかとしたほか、現在臨床で唯一オートファジー阻害薬として使われているハイドロキシクロロキン(HCQ)との比較し、HIF-1aの誘導やがん幹細胞マーカーの発現上昇効果が抑えられている事を示した。そして担癌マウスモデルにAZMを経口投与し、単剤にて抗腫瘍効果を示すことを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、オートファジーががん治療の標的の1つとして注目されており、抗がん剤とオートファジー阻害薬を併用する様々な治験が行われている。しかしながら、現在までに臨床で利用可能なオートファジー阻害薬はハイドロキシクロロキンのみであり、選択の余地が無い。本研究で日常的に長く臨床の場で用いられてきた抗生物質であるアジスロマイシンのオートファジー阻害機構が明らかとなり、またマウスモデルを用いた実験で経口投与による抗腫瘍効果も観察された。今後、本研究成果はアジスロマイシンをがん治療に用いる新規治療法を開発する上での基盤となると考えられる。
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