研究課題/領域番号 |
20K07301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
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研究分担者 |
松田 将也 摂南大学, 薬学部, 助教 (30783005)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ステロイド抵抗性 / 喘息 / ILC2 / 上皮細胞 / TSLP / JAK / STAT / アポトーシス / IL-33 / 自然リンパ球 / 好酸球 / IL-5 / STAT5 / グルココルチコイド / ステロイド抵抗性喘息 / エピイムノーム / 2型自然リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息の治療には吸入ステロイド薬が繁用されているが、5~10%の喘息患者はステロイド薬が効かない。また、他に有効な薬物もなく重症喘息に陥る。ステロイド薬が効かない喘息患者の多くは、もともと効かないのではなく、重症化することによって効かなくなるように変化するものと考えられる。本研究では、喘息のマウスモデルを用い、「ステロイド薬が効かなくなる喘息に変化する機序」を明らかにする。本研究の成果により、ステロイド薬が効かない患者を効くように変化させることができたり、あるいはステロイドに効かない喘息に有効な新しい薬物を開発することができる。
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研究成果の概要 |
喘息患者の5-10%はステロイド抵抗性であるが、その誘導機序は不明である。本研究の目的は、ステロイド抵抗性喘息の病態形成に、免疫細胞と上皮細胞の相互作用(エピイムノーム機構)による2型自然リンパ球(ILC2)の病原性変化が関与することを示すことである。ステロイド抵抗性喘息マウスの肺にはIL-5高産生性のpathogenic ILC2が出現し、本細胞では上皮由来サイトカインTSLP受容体、その下流シグナル分子STAT5a、アポトーシス阻害因子cIAPsなどの発現が増強した。また、ILC2を上皮由来サイトカインでin vitro刺激することによりステロイド抵抗性を誘導できる系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮細胞と2型自然リンパ球(ILC2)との相互作用により、pathogenic ILC2が出現すること、またそのフェノタイプを明らかにしたのは本研究が初めてである。さらに、本細胞において、アポトーシス阻害遺伝子cIAPsの発現が増強したことも初めての知見であり、それらの発現機序の解明によりステロイド抵抗性誘導の本質に迫ることができる。 本研究の成果により、ステロイド抵抗性喘息の新規治療薬創製における標的分子の候補が明らかとなった。また、ステロイド抵抗性は喘息以外の慢性炎症性疾患にも認められることから、本研究成果は他の慢性疾患制御への波及効果もある。
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