研究課題
基盤研究(C)
胸腺の髄質に局在する上皮細胞(髄質上皮細胞;mTEC)は自己免疫疾患の発症抑制に必須である。しかし、その分化・維持機構については十分に解明されていない。申請者らはこれまでに、mTEC の分化に必須な TNF レセプターファミリー RANK の発現を指標に、胎仔期において mTEC に特化して分化する前駆細胞を同定した(J Exp Med. 2016)。一方、成体における mTEC の維持機構については、実体は明らかでない。本研究課題は、成体における mTEC 前駆細胞を同定し、その細胞の特性を解析することにより、mTEC の分化・維持機構の解明を目指す。
自己免疫疾患の治療や予防には、その発症機構を理解することが重要である。胸腺の髄質に局在する上皮細胞(髄質上皮細胞;mTEC)は自己免疫疾患の発症抑制に必須である。申請者らはこれまでに、mTEC の分化に必須な TNF レセプターファミリー RANK の発現を指標に、胎仔期において mTEC に特化して分化する前駆細胞を同定した(J Exp Med. 2016, 213:1441)。一方、成体における mTEC の分化・維持機構については、実体は明らかでない。本研究課題は、成体における mTEC 前駆細胞を同定し、その細胞の特性を解析することにより、mTEC の分化・維持機構の解明を目指す。
成体マウスの Aire 陽性髄質上皮細胞は約 2 週間の寿命でターンオーバーするが、その維持に関わる分化機構については、一致した結論が得られていない。本課題は細胞分化マーカーに加えて分子機構の知見を基軸に研究を進めることで、関連分野におけるブレークスルーになると期待される。また髄質上皮細胞は、制御性 T 細胞の分化を誘導する。さらに、がん免疫にも関与することも報告されている。本課題で、その前駆・幹細胞が明らかになった場合、それを利用することで特定の抗原に対する制御性 T 細胞を創出する技術の開発など、新たな研究の発展が期待される。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) 備考 (3件)
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