研究課題/領域番号 |
20K07347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 天理医療大学 |
研究代表者 |
増谷 弘 天理医療大学, 医療学部, 教授 (50252523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Txnip / breast cancer / triple negative / Autophagy / 乳癌 / 層別診断法 / オートファジー / リボヌクレオプロテイン複合体 / RNA / トリプルネガティブ / lncRNA |
研究開始時の研究の概要 |
①luminal A②Luminal B③HER2陽性④triple negativeタイプに大別される乳癌の的確な治療法選択のためには、適切な層別指標の開発が望まれている。癌抑制因子Txnipの発現は、乳癌のサブタイプごとに発現が異なっており、triple negativeタイプで細胞膜に異所性局在を示すので、乳癌の生検、病理組織においてTxnipの発現を検討し、層別診断法を開発する。一方、Txnipが構成する核内高分子リボヌクレオプロテイン複合体による制御分子機構を解析することにより、Txnipによる糖代謝制御・癌抑制機構を解明し、さらに、RNAによる生命現象制御機構の新たな知見を得る
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研究成果の概要 |
一部のtriple negativeタイプ乳癌で、癌抑制因子thioredoxin interacting protein (Txnip)が細胞膜周辺に局在する知見を得た。Txnipと相互作用する分子の同定のため、近接依存性相互作用解析法を導入した。一方、Txnipにより発現誘導されるRNAとして、DNAメチル化酵素、BRCA1複合体構成因子などを同定した。また、Mixed lineage leukemia (MLL)白血病細胞株でTxnipが増殖抑制とオートファジーを誘導し、Bcl-2、Bcl-xL阻害剤ABT263 (Navitoclax)による細胞死を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌のサブタイプの中で治療抵抗性であるtriple negativeタイプを積極的に診断する指標はなく、的確な治療法選択のために、適切な層別指標の開発が望まれている。今回、細胞膜付近にTxnipと相互作用するアンカー因子の存在が示唆された。また、Txnip過剰発現により発現誘導される因子を同定した。これらの因子は、Txnipの発癌抑制機構を明らかにし、乳癌の層別診断法、治療法の開発に資すると考えられる。さらに、Txnipによる増殖制御やオートファジー制御分子機構の解明が難治性のMixed lineage leukemia (MLL) 急性骨髄性白血病の治療に応用できる可能性を示唆する。
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