研究課題/領域番号 |
20K07354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
定 清直 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10273765)
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研究分担者 |
千原 一泰 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00314948)
竹内 健司 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (40236419)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感染宿主因子 / チロシンキナーゼ / ゲノム編集 / HCV / Abl / 3BP2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はウイルスの生活環と感染病態についての新しい理解や、特に薬剤耐性C型肝炎ウイルス(HCV)や類似のフラビウイルスに対する感染制御と治療薬開発への貢献を目的としている。チロシンキナーゼAblがどのようにHCVの生活環と病原性の発現に関わっているのかが本研究の核心をなす学術的な問いであり、Ablの宿主因子としての作用機序の解明とAbl阻害薬による抗ウイルス効果の実証を目指すものである。
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研究成果の概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)のゲノムにコードされたタンパク質は、様々なヒト宿主因子と相互作用し、HCVの生活環を制御し病原性の発現に関与する。本研究ではCRISPR/Cas9法によりAbl欠損培養肝細胞を作製し、野生型Ablまたはキナーゼ活性欠失型Ablを安定発現させたadd-back細胞との比較により、HCVの粒子形成にはAblのキナーゼ活性が必要であることを明らかにした。またAblとHCVタンパク質NS5Aの相互作用機序を解明した。さらにAbl結合蛋白質3BP2の遺伝子改変マウスを作製し、その骨髄由来樹状細胞の解析より、C型レクチン受容体を介する免疫応答に3BP2が必要であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた我々の知見は、Abl阻害薬を用いた新しいC型肝炎の治療戦略基盤を提供するものと考えられる。現在のHCV感染症治療は、直接作用型抗ウイルス薬の登場により飛躍的に改善されているが、DAA耐性ウイルスの出現による難治例など、新たな課題も生じており、チロシンキナーゼ阻害薬は作用機序の違いから今後の研究開発の基盤となることが期待される。また我々は、BMDCのデクチン-1 により誘導される種々のサイトカインの発現に3BP2が重要であることを明らかにした。この新たなシグナル経路の調節機構の解明と、深在性真菌症の病因と病態との因果関係が今後の課題である。
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