研究課題/領域番号 |
20K07369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝臓 / 病理 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 免疫関連有害事象 / 肝障害 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、全身諸臓器のがん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬治療の普及に伴い、従来からの薬物性肝障害とはまったく異なる病態で、免疫関連有害事象(irAE)と称される肝障害が増えつつある。しかし、その病態および病理像は未だ不明であり、診断基準も策定されておらず、実臨床の場では混乱を招いている。今回、本邦のirAE関連肝障害の全国調査を機に、肝生検の後ろ向きな検体収集も行い、その病理学的特徴の解明および診断基準を策定する。さらに前向きにも検体を収集し、包括的1細胞遺伝子解析法を用いた肝内細胞社会の解析を行うことにより、irAE関連肝障害において発生している複雑な免疫応答および病態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬関連の免疫関連有害事象(irAE)肝障害の病態を病理学的に検討した結果、iAE肝障害の組織学的多様性と特徴が明らかとなり、薬物性肝障害や自己免疫性肝炎とは特徴を異にする病態であることが明らかとなった。また、当初 原発性胆汁性胆管炎のバイオマーカーとして見いだしたインドールアミン酸素添加酵素(IDO-1)は、原発性胆汁性胆管炎の胆管のみにならず免疫チェックポイント阻害薬肝障害の胆管病変においても発現が見られた。両疾患で出現する胆管病変の組織学的類似性は乏しいが、胆管周囲のIFNγ環境に基づく胆管病変の発生に共通性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん患者に対する免疫チェックポイント阻害薬治療の普及にともない免疫関連有害事象肝障害症例も増加しつつあるが、実臨床では免疫チェックポイント阻害剤による肝障害なのか、その他の抗がん剤等による肝障害なのか鑑別が困難なことが多い。今回の研究成果は、免疫関連有害事象関連肝胆道系障害の病態解明のみならず診断にも応用可能であり、免疫チェックポイント阻害薬治療への更なる普及と迅速な治療介入への指針として重要な内容といえる。
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