研究課題/領域番号 |
20K07373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横崎 宏 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10200891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヒト化マウス / 骨髄由来細胞 / 食道扁平上皮癌 / 細胞間相互作用 / 癌微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで臨床検体および培養細胞系で明らかにしてきたヒト食道扁平上皮癌の増殖・進展に係るTAMの役割を生体内で検証することを目的として、免疫不全マウスにヒト造血幹細胞を移植することによりヒトに近い造血・免疫環境を構築可能な「ヒト化マウス」にヒト食道扁平上皮癌細胞を移植し、TAMの起源、癌細胞との相互作用に基づく生物学的現象ならびにその背景に存在する分子変化を探索する。結果を培養系で得られた成果と比較検証するとともに、実際のヒト食道扁平上皮癌における癌細胞-TAM相互作用の実態と生物学的意義の解明に迫る。
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研究成果の概要 |
ヒト食道扁平上皮癌の増殖・進展に係る腫瘍随伴マクロファージ(TAM)の役割を生体内で検証することを目的として、ヒト化マウスにヒト食道扁平上皮癌細胞TE-11を皮下移植した。移植後50日目までのヒト化マウス腫瘍容量は対照に比較して有意に増大した。腫瘍組織の免疫組織化学的解析では、ヒト化マウス移植腫瘍内に多数のヒトCD163免疫活性陽性マクロファージが確認され、これらTAMが骨髄・末梢血単球由来であることが証明された。さらにヒト化マウスでは移植腫瘍内微小血管密度が高い傾向を認めた。以上、ヒト化マウス移植系がヒト食道扁平上皮癌微小環境解析のための良好なin vivoモデルとなる可能性を立証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト造血幹細胞を移植した高度免疫不全マウス体内で機能的なヒト型血液、免疫細胞が出現する状態を狭義の「ヒト化マウス」と呼ぶ。ヒト化マウスのがん研究への応用は、これまで白血病、リンパ腫等造血器腫瘍の発生機構探索が主体であり、固形癌移植に関しては治療開発のヒト化モデルとして使用されることが殆どであった。ヒト化マウス移植食道扁平上皮癌細胞とヒト型造血・免疫系細胞の間にもたらされる、生体内での癌細胞-TAM相互作用の実態を形態・分子の両面から可視化することにより、癌細胞-TAM相互作用を標的とした食道扁平上皮癌制御戦略の創造が期待される。
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