研究課題/領域番号 |
20K07386
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋木 由利子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80311223)
|
研究分担者 |
古川 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30282122)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | pancreatic cancer / Dusp6 / ERK / 腫瘍抑制因子 / 膵がん / マウスモデル / 膵臓がん / 発がんモデルマウス / 膵がんマウスモデル / DUSP6 / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
Dual specificity phosphatase 6 (DUSP6)は、ヒト膵臓がんで高頻度(40-50%)に不活化している。DUSP6はMAPK経路を負に制御しており、その不活化はMAPK経路の高活性化をおこす。膵臓の前癌病変ではDUSP6は発現しているが、浸潤部で発現が低下している。この事実は、前癌病変から浸潤がんへの進展の過程で、DUSP6が腫瘍抑制因子としてはたらく可能性を示唆している。本研究では、Dusp6 nullの膵臓がんモデルマウスを作製し、Dusp6の腫瘍抑制因子としてのはたらきを個体レベルで明らかにする。さらに、DUSP6不活化膵臓がんに対する新規の治療を提案する。
|
研究成果の概要 |
DUSP6はERK特異的リン酸化酵素であり、ERK活性の負のフィードバック制御因子として作用する。本研究では、Dusp6ノックアウトマウスを用いて、膵臓がん発生におけるDusp6の役割を探った。膵がんモデルマウス(KCマウス)とDusp6ノックアウトマウスを交配し、Dusp6のノックアウトアレルが野生、ヘテロ接合、ホモ接合であるKCマウスの膵臓の病変を解析した。Dusp6を欠損させたマウスでは、KrasG12Dを単独で発現させたマウスと比較して、浸潤がんの発生が有意に増加していた。これらのデータは、膵臓がんの進展におけるDusp6の腫瘍抑制的な役割を示唆している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在までに10種類のdual-specificity phosphatase が知られているが、DUSP6はその中でERK特異的な脱リン酸化酵素として最も早く同定された。はじめに、DUSP6が膵臓がんにおいて腫瘍抑制因子としてはたらく可能性が見いだされ、それにつづいて、卵巣がん,肺がんでもDUSP6の機能喪失性異常が報告されている。しかし、DUSP6の不活化により発癌がうながされることを、個体レベルで証明した報告はない。本研究は、世界に先駆けて生体内でのDUSP6の腫瘍抑制因子としての働きを明らかにした。
|