研究課題/領域番号 |
20K07398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 (2022) 東京医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
倉田 厚 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10302689)
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研究分担者 |
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80251304)
大野 慎一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90513680)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 冠動脈ステント / 平滑筋 / 免疫組織化学 / h-caldesmon / calponin / FAP / sirolimus / 免染組織化学 / h-Caldesmon / Calponin / 不安定プラーク / 分化誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
応募者らは冠動脈や頚動脈の組織を検索し、不安定プラークに関して、従来提唱されてきた脂質コアの増大や線維性被膜の菲薄化にも増して、h-caldesmon発現低下で明らかとなるプラーク内平滑筋の成熟度の低下が関与することを見出した。一方、冠動脈ステントは薬剤溶出ステント(DES)の登場により内膜平滑筋増殖が抑制され、再狭窄が著しく減少したが、その平滑筋の質は研究されていない。本研究では、DESにより平滑筋が成熟したかどうか検証するために、剖検例の冠動脈および動脈硬化モデルマウスの頚動脈にDESを施行した組織に免疫染色を施行する。また、血管平滑筋の培養細胞にて、分化誘導をもたらす因子を探索する。
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研究成果の概要 |
我々は動脈内膜平滑筋の中間的分化がプラーク安定化の指標となることを提言してきた。今回、特にsirolimusを用いた薬剤溶出ステントによりステント再狭窄が減少する理由として、動脈内膜平滑筋の中間的分化が関わるかを検討した。h-caldesmonやcalponinの発現亢進、またFAPの発現低下を中間的分化の指標とした。ステント施行後剖検例20例の免疫組織化学的検索、またヒト冠動脈平滑筋培養細胞への薬剤添加実験いずれにしても、sirolimusには平滑筋を分化させる作用があることが判明した。平滑筋の中間的分化が、冠動脈プラーク安定化とステント再狭窄予防の両者に共通した因子であることを提言したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋梗塞等の動脈硬化性疾患の大部分はプラークの破綻から生じる。破綻しにくい安定プラークは、脂質コアが小さく、脂質コアを覆う、平滑筋を主成分とする線維性被膜が増大している。一方、ステント挿入後の議論では、平滑筋の増生がステント再狭窄に関わる悪玉とされている。このように平滑筋の量ではプラーク安定化とステント挿入後予後で矛盾した結果となる。が、本研究でsirolimus溶出ステントにて平滑筋が分化したことは、動脈内膜平滑筋の中間的分化がプラーク安定化の指標となるというこれまでの我々の提言と併せて、動脈内膜平滑筋の中間的分化が、冠動脈プラーク安定化とステント再狭窄予防の両者に共通した因子と提言できる。
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