研究課題/領域番号 |
20K07403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牛久 綾 (篠崎綾) 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60581824)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | EBウイルス / 悪性リンパ腫 / リンパ増殖性疾患 / microRNA / PD-L1 |
研究開始時の研究の概要 |
Epstein-Barr(EB)ウイルスは種々の悪性リンパ腫およびその前段階であるリンパ増殖性疾患(LPD)の発生に関連する主要なウイルスである。本研究においては、本邦におけるEBウイルス関連LPDの臨床病理学的解析を行い、疾患分類の再考およびそれぞれの疾患の特徴の抽出、さらに予後予測や治療標的となる因子を発見することを目的とする。さらにEBウイルス由来のmicroRNAに着目し、EBウイルス関連LPDの発生や進展に関連する異常を見いだし、臨床検体や細胞株を用いて実験的に検証する。これらにより本邦のEBウイルス関連LPDの病態の解明を目指し、予防や治療への応用につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
EBウイルス関連悪性リンパ腫・リンパ増殖性疾患(LPD)の病態を明らかにするために、これらの疾患における腫瘍細胞の特徴や免疫細胞の浸潤、EBウイルス由来microRNAの発現等を含む臨床病理学的検討を行った。腫瘍内免疫細胞については組織型間で有意な違いは見られなかったが、microRNA高発現の群ではLPDやlatency type IIIの症例が多く含まれており、これらのmicroRNAが腫瘍化に関連する遺伝子を標的としている可能性が示された。また、EBウイルス陽性腫瘍細胞におけるPD-L1の発現が細胞形態やLMP-1の発現と相関していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、EBウイルス関連LPDにおけるEBウイルス由来microRNAの意義の一端を示すことができた。さらにEBウイルス陽性腫瘍細胞が抗腫瘍免疫を回避する手段として発現しているPD-L1が、細胞形態や潜伏感染遺伝子の一つであるLMP-1の発現と相関していることが明らかになった。これらの分子の発現と細胞形態との相関について、これまで詳細に検討した報告は乏しく、EBウイルス関連LPDの病態の理解に寄与するとともに、治療標的としての可能性を示唆するものとなる。
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