研究課題/領域番号 |
20K07418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
種田 積子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (40408472)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 移植腎生検 / 腎臓移植 / 巣状分節性糸球体硬化症 / 成因 / Banff分類 / 足細胞 / 糸球体内皮細胞 / カルシニューリン阻害剤 / 腎移植 / 抗体関連型拒絶 / 電子顕微鏡 / 足細胞障害 / 糸球体内皮細胞傷害 / 巣状糸球体硬化症 / コロンビア分類 / etiology / 再発 / 電顕 / カルシニューリン阻害薬 / 血管毒性 / 薬剤性細動脈障害 / カルシニューリンインヒビター |
研究開始時の研究の概要 |
CNIは腎移植患者に必要不可欠な薬剤であるものの、長期化すると慢性血管毒性をきたし、腎障害を起こす。本研究では、移植腎におけるFSGSの大きな発症の要因の1つと考えられるCNIの慢性血管毒性に着目し、CNI血管毒性症例における血管病変の重症度とFSGS病変の形態学的変化の関連性を臨床、病理学的に検討する。さらに、固有腎生検でidiopathic FSGSと診断された症例と比較することで、移植腎の細動脈障害によるde novo FSGSの腎障害進展の機序解明につながると考える。
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研究成果の概要 |
腎移植における巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の臨床病理学的特徴に及ぼすカルシニューリン阻害剤(CNI)の影響を電顕も用いて検討した。FSGS病変はコロンビア分類に基づき評価した。CNIによるFSGS病変は糸球体内皮の腫脹と断片化を伴うNOS亜型が大半を占め、1割に上皮細胞増生の強いCOL亜型も見られた。しかし、再発性のFSGS群で多くみられるCOL亜型とは内皮傷害が高度な点で異なっていた。抗体関連型拒絶(ABMR)で生じるFSGS群とは病理学的共通点は乏しかった。また、T細胞性拒絶や逆流性腎症が背景にある場合、間質線維化により二次的なNOS亜型を生じたが、CNI群と比べ内皮傷害は軽かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FSGSは糸球体傷害の形態的なカテゴリーである。腎移植はCNIを含む免疫抑制剤や拒絶反応の影響を受ける。過去の報告では、腎移植におけるFSGSは、臨床的特徴に関連する形態学的特徴に基づき、CNIによる血管毒性、ABMR、ネフロン喪失/過剰濾過に病因分類されている。本研究では、CNIの影響を対象群(再発性FSGS群、ABMR-FSGS群、いずれの群にも属していない病因不明なFSGS群)と比較した。その結果、移植後FSGSの臨床学的特徴は病因によって異なり、同一の病理亜型であっても、電顕上傷害部位は異なっていた。腎移植のFSGS病変の形態学的評価は、FSGSの診断と臨床管理に役立つと考えられた。
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