研究課題/領域番号 |
20K07419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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研究分担者 |
佐藤 鮎子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20419823)
篠原 義康 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60723509)
結城 美智子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60467587)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 早期中皮腫 / ゲノム異常 / BAP1 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性中皮腫はアスベスト曝露に起因して発生する難治性腫瘍である。最近、胸部CTなどで胸水貯留以外に有意な所見を認めなくても胸水細胞診で悪性中皮腫を否定できない症例に対して胸膜生検が行われ、異型中皮細胞の増殖が胸膜表面や浅層に留まる症例が見出されている。このような早期中皮腫と考えられる症例のゲノム異常は詳細に解析されておらず、中皮腫の初期発生にゲノム異常がどのように関与しているのか臨床病理学的に検討されていない。本研究は、最近、遭遇する機会が増加している早期中皮腫に着目し、申請者らの豊富な中皮腫症例をアドバンテージにして、そのゲノム異常と臨床病理学的特性を解析し、中皮腫発生と病態の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
早期中皮腫の発生には、BAP1変異を起点、CDKN2Aホモ接合性欠失を起点、これら以外のゲノム異常を起点とするものがある。遺伝子発現プロファイル解析により、BAP1-KO中皮細胞で発現が増強するアノイキス耐性誘導因子Xを見出した。BAP1変異中皮細胞が胸水中に浮遊してもアポトーシスに陥らないように制御されている可能性がある。BAP1 lossを有する前浸潤性中皮腫患者の初診から5年後の浸潤性中皮腫検体を用いて全エクソームシーケンシング解析すると、BAP1遺伝子以外に細胞周期に関与するMAGI2遺伝子にも変異が見出された。MAGI2は浸潤性中皮腫への進展に関与している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早期中皮腫の発生には複数の発がん機構があることが示された。BAP1変異は中皮細胞にアノイキス耐性を誘導している可能性があり、それを担う候補分子としてアノイキス耐性誘導因子Xを見出している点に学術的意義がある。前浸潤性中皮腫から浸潤性中皮腫への進展に関与する候補分子は、中皮腫の治療開発に繋がる可能性があり、中皮腫患者への福音になると期待される点に社会的意義がある。
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