研究課題/領域番号 |
20K07421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | p62 / オートファジー / シャトリング / ポドサイト |
研究開始時の研究の概要 |
近年、急速に解明が進んだ細胞内タンパク質分解系であるオートファジーにおいて、p62は分解の対象となる基質に選択性をもたらすアダプター分子として働き、種々の病態で観察される異常タンパク質の凝集体の形成に必須な役割を持つことが示されている。本研究は、p62の分子機能に核-細胞質間のシャトリングという新しい観点から解析を加える。そのために、p62の細胞内局在を、核あるいは細胞質に限定できるノックインマウスを作製して、それらの表現型を詳細に解析する。
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研究成果の概要 |
p62は核-細胞質間を常時シャトリングしているタンパク質である。本研究は核―細胞質間シャトリングの仕組みと生理的意義を解明すること目的に、CRISPR/Cas9システムにより、核移行シグナル(NLS)、核外排出シグナル(NES)をそれぞれ欠失したp62遺伝子変異マウス(それぞれdNLS、dNESマウス)を作製し、dNESホモ接合体マウスは生後8週齢以内に全ての個体が死亡することを見出し、p62の核内限定的な局在が核内タンパク質品質管理の異常を引き起こし、ポドサイト障害を生じさせることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにp62は、オートファジーの選択的基質となることの発見を契機に、タンパク質分解系との関連を中心に盛んに研究が行われているが、細胞質―核間のシャトリングによる「細胞内の局在性と機能」に関する研究は全く無かった。近年、発がんや細胞内に異常タンパク質の凝集体形成を伴う神経系、肝臓の重大疾患に、オートファージー活性の低下によるp62発現量の変化が関与することや、その際に液―液相分離という物理的な現象が関連していることが続々と報告されているが、本研究で得られた成果は、それらに対し新たに細胞内の場の重要性を示唆する生物学的新知見をもたらした。
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