研究課題/領域番号 |
20K07471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (10215923)
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研究分担者 |
駒形 修 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (20435712)
糸川 健太郎 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (70769992)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マダニ / 重症熱性血小板減少症候群 / 宿主動物 / 生息環境 / リスクマップ |
研究開始時の研究の概要 |
マダニ媒介性ウイルスによる極めて重篤な人獣共通の新興・再興感染症として重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注目し、自然界での感染環を推察し、人の健康影響へのリスク評価ならびに発生予測に資することを目的とした。そのために、地球温暖化や気候変動に伴うマダニとその宿主となる野生動物の分布、ならびにそれらの生息環境の変化との相互関係を解析する。媒介節足動物(マダニ)、その宿主動物(野生動物)、環境要因(土地利用図等)、SFTS患者/病原体(SFTSウイルス)の情報の4つの要素を包括的に解析し、SFTS発生のリスクマップ作製、SFTS患者発生予測に資する。
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研究実績の概要 |
本研究は、マダニ媒介ウイルスによる極めて重篤な人獣共通の新興・再興感染症であるSFTSに注目した。自然界でのSFTSウイルスの感染環を推察し、ヒトの健康影響へのリスク評価ならびに発生予測に資することを目的としたものである。具体的には、媒介節足動物(マダニ)、その宿主動物(イノシシ、シカ、ネズミ、アライグマ等)、環境要因(森林面積、人工林面積、農地、平均気温、年降水量等)、SFTS患者、SFTSウイルス等病原体情報の4つの要素を包括的に解析し、SFTSを含むダニ媒介感染症発生のリスクマップ作製を行う。 本年度初めはまだCOVID-19の収束が見られなかったため、予定した計画は遂行できなかったが、主な成果は以下のとおりである。 1)以前にマダニの生息調査を行った兵庫県T市において追加調査を行い、マダニの種構成ならびに保有ウイルスの検出を行った。 2)すでに登録されているSFTS患者および病原体の情報収集に努めたが、患者情報の入手が困難であった。しかし、国立感染症研究者が収集しているNESID情報の一部利用を検討し、情報収集の準備を進めている。入手出来次第SFTSの発生リスクの検討を試みる。 3)マダニの一塩基多型を調べるためのハイブリダイゼーションキャプチャプローブのデザインを行った。プローブの配列として以下の点を考慮した。①単一のプローブセットで複数種の解析を行えるように塩基レベルで種間の保存性が高いこと②遺伝子の喪失が無く異なるマダニ種で安定的に存在する配列であること③ゲノム中に一コピーのみ存在し進化の過程でコピー数の変化が起きていないと考えられる配列であること。現在、アクセス可能なマダニ種のゲノムアセンブリを比較した結果、約2,000ヶ所の上記の条件に合致する座位を発見し、それらからそれぞれプローブをデザインした。R5年度はこのプローブセットの性能評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
R4年度初めはまだCOVID-19の収束が見られなかったため、追加の野外調査が計画通りに実施できなかった。また、国立感染症研究所の感染症発生動向調査(NESID)に登録された情報からSFTS患者情報の入手を検討したが、研究期間内に間に合わせることができなかったため、来年度の期間延長を許可いただいた。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度は、リスクマップを作成する地域をまず選定し、個別にその地域の患者情報の提供を該当する自治体に依頼する方針に切り替え、NESID情報を一部利用し、SFTS患者情報の入手を可能にする。さらに、野生動物の出没情報、環境情報等も加味して、地域に限定的ではあるが、リスクマップを完成させる予定である。
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