研究課題/領域番号 |
20K07477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北尾 公英 (安藤公英) 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80462787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細菌感染 / レジオネラ / SNARE / ユビキチン / 翻訳後修飾 / 小胞輸送 / エフェクター / 細胞内寄生 / v-SNARE |
研究開始時の研究の概要 |
重篤な肺炎を引き起こす病原細菌レジオネラは、IV型分泌装置を介して多くのエフェクタータンパク質を宿主に輸送し、宿主小胞輸送経路を操作することにより自身の増殖のための液砲(LCV)を築く。LCVの構築には小胞輸送を担う宿主v-SNAREが関与することが知られるが、詳細な機序については分かっていない。申請者はこれまでにv-SNAREタンパク質がレジオネラ感染初期にユビキチン修飾され、感染後期にその修飾が解除(脱ユビキチン化)されることを見出した。本研究では、レジオネラがv-SNAREのユビキチン化を介してどのように宿主の小胞輸送を操作し、増殖環境を確立しているのか、その分子機序を明らかにする。
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研究実績の概要 |
病原細菌レジオネラはIV型分泌装置を介して宿主細胞にエフェクタータンパク質を送ることにより宿主小胞輸送を操作し、自身の増殖のための液砲(Legionella Containing Vacuole: LCV)を構築する。レジオネラが食作用により宿主に取り込まれると初期ファゴソームが小胞体(ER)から派生した輸送小胞と膜融合し、成熟したLCVへと変貌を遂げる。その際にER由来のv-SNAREと細胞膜由来のt-SNAREがノンカノニカルなSNARE結合を形成することが知られる。申請者はこの過程における膜融合を司る宿主v-SNAREタンパク質がレジオネラ感染初期にユビキチン修飾され、感染後期にレジオネラエフェクターLotBによってその修飾が解除(脱ユビキチン化)されることを見出した。LotBによるv-SNAREの脱ユビキチン化はノンカノニカルな結合の解離を促し、LCV の成熟化に寄与していることを解明できたが、レジオネラが感染初期にv-SNAREをユビキチン化することの意義やその機序はまだ分かっていない。そこで、本研究では、レジオネラがv-SNAREのユビキチン化を介してどのように宿主の膜融合を操作し、増殖環境を確立しているのかを明らかにするために、レジオネラ感染時においてv-SNAREをユビキチン化する因子の同定とその機能解析を実施した。 これまでに、v-SNAREのユビキチン化を担うユビキチンリガーゼ(LpgX)を同定した。LpgXは真核細胞におけるATP依存的なユビキチン化反応とは全く異なるNAD依存的活性を有し、v-SNAREのセリン残基にユビキチンを付加することを見出した。また、v-SNAREはレジオネラ感染依存的に細胞膜由来t-SNAREと結合しLCV上に集積することが知られるが、LpgXによるv-SNAREのユビキチン化はその集積を促進することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初予定していた宿主v-SNAREのユビキチン化残基の同定、v-SNARE上に合成されるユビキチン鎖の構造決定、ならびに、感染時にLCV上に集積したv-SNAREの機能解明を完了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究期間を通して得られた知見を論文としてまとめ、公表する予定である。
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