研究課題/領域番号 |
20K07483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山崎 伸二 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70221653)
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研究分担者 |
日根野谷 淳 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20548490)
畑中 律敏 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (20803745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Providencia / CDT / T3SS / 3型分泌装置 / Providencia属菌 / 細胞膨化致死毒素 / 3型分泌装置 / 小児下痢症 / プラスミド |
研究開始時の研究の概要 |
Providencia属菌はしばしば下痢症患者から分離されるが、あまり注目を集めてこなかった。我々は小児下痢症患者から分離したP. rustigianiiが、細胞膨化致死毒素遺伝子をプラスミド上に、異なる2種類の3型分泌装置関連遺伝子をそれぞれプラスミドおよび染色体上に保持していることを見出した。これらcdt遺伝子および3型分泌装置関連遺伝子のProvidencia属菌における分布、病原性プラスミドの伝達性やプラスミド上と染色体上の3型分泌装置の関連遺伝子の病原性への関与と両者の相互作用について調べ、これら病原因子の本菌病原性に及ぼす影響について細胞・個体レベルで明らかにする。
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研究実績の概要 |
小児下痢症患者から分離したProvidencia rustigianiiが保有する細胞膨化致死毒素(cdt)遺伝子と3型分泌装置に関わる遺伝子を持つプラスミド(pJH1)の伝達性について解析した。自殺ベクターを用いて、P. rustigianii JH-1株のpJH1プラスミド上のcdt遺伝子をβラクタマーゼ耐性遺伝子で置換したcdt遺伝子欠損変異を作製した。本変異株を接合伝達実験のドナーとして供し、レシピーエントとしてクロラムフェニコール、テトラサイクリン、シプロフロキサシンあるいはリファンピシンのいずれかに耐性を持つP. rustigianii, Providencia rettgeri, Providencia heimbachae, Providencia stuartii,それぞれ1株、Providencia alcalifaciens, Salmonella enterica, Shigella flexneri, Pseudomonas aeruginosaそれぞれ2株、大腸菌4株を用いた。その結果、大腸菌1株で最も高率の10-3以下の割合で、P. rustigianii とP. rettgeriでは10-5以下の割合で伝達された。その他の菌での接合伝達率は10-7以上であった。これらの研究成果を含めた論文をまとめ投稿した。 さらに、野生動物からcdt遺伝子陽性のP. rettgeri、4株、P. rustigianii、4株、P. alcalifaciens、12株を分離した。これらの菌株に対してもS1-PFGEにより、プラスミドを保持しているか、プラスミド上にcdt遺伝子を、3型分泌装置に関わる遺伝子をプラスミド上や染色体上に保持しているかについて解析し、特にP. rustigianiiで同様のプラスミドを保持していれば全ゲノム解析を行い、ゲノム比較を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初の予定通り研究を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、cdt遺伝子の変異株は作製できたが、プラスミド性の3型分泌装置の変異株、pT3SSと染色体性の3型分泌装置、cT3SSの変異株の作製を試みたが成功しなかった。今年度も引き続き、これら2遺伝子の変異株の作製を試みる。3種類の変異株が作製できれば、細胞侵入性、ウサギを用いた腸管ループ試験など行い、本研究の当初目的である3種類の病原因子を持つP. rustigianii、の腸管病原性に重要な病原因子を明らかにする。
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