研究課題/領域番号 |
20K07496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
菅原 庸 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 室長 (70452464)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | カルバペネム耐性 / 大腸菌 / カルバペネム耐性腸内細菌目細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、重篤な細菌感染症に対する最後の砦として使用されてきたカルバペネムに対して耐性を示す腸内細菌科細菌の急速な拡散が世界的な問題となっている。特にカルバペネム耐性の大腸菌(CREC)はすでに市中に広がりつつあり、その拡散は深刻な事態であるが、これらのうちどのようなタイプのものが伝播しやすいのか?、またどういったタイプのものが感染症を引き起こしやすいのか?、については明らかではない。本研究では由来の異なる約120株のCRECとそのゲノム情報を用いて、その伝播性・病原性に寄与する遺伝子を明らかにし、それらを標的とした新規治療法や伝播及び感染症発症リスクの高い系統の検出法の開発に資することを目指す。
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研究成果の概要 |
カルバペネム耐性大腸菌の蔓延が世界的な問題となっているが、それらの伝播性・病原性についてはあまり明らかではない。本研究では、臨床・環境・健常人から共通して分離されたカルバペネム耐性大腸菌ST8453株に着目して解析を進めた。近縁な系統との比較ゲノム解析の結果、ST8453に特異的なDNA修飾酵素を見出した。その遺伝子欠失株を作出し野生株との比較実験を行ったが、表現型に大きな差異は見いだされなかった。一方、RNA-seqにり複数の遺伝子の発現に差異が見いだされた。今後当該遺伝子の機能についての解析により、ST8453株の特性についての知見が得られることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌に対しては、有効な抗菌薬がほとんど存在せず、患者の予後も極めて深刻であることから、臨床現場での蔓延が世界で大きな問題となっている。特に大腸菌は、他の腸内細菌科細菌に比べ優勢にヒトの腸内に保菌され、更なる拡散のリスクが高く、実際に一部のアジア諸国においてはすでに市中に蔓延している。本研究では、臨床・環境・市中で広く拡散している大腸菌系統に着目した解析を行った。得られた知見は、このような拡散を可能にする菌の特性やその病原性を理解するための今後の研究の足掛かりとなることが期待される。
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