研究課題/領域番号 |
20K07506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
伊豫田 淳 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (70300928)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | E. albertii / pch / 発現制御 / HUS |
研究開始時の研究の概要 |
HUS患者便から分離したStx2f産生性のEscherichia albertii(EA)株などを用いて、EAに存在する3種類の3型蛋白質輸送装置(T3SS)すなわち、LEE、ETT2、べん毛の発現制御機構の解明と新規T3エフェクターの同定を目指す。さらに、Stx2のサブタイプとして近年重症例に散見されるStx2fの発現制御機構および細胞毒性について、上記のT3SSの機能解析と共に培養細胞レベルで解析する計画である。
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研究成果の概要 |
溶血性尿毒症症候群を発症した患者から我々が分離した志賀毒素産生性のEscherichia albertii(EA)はEHECと同様、宿主細胞への強固な接着に必要な病原性遺伝子群であるLEEを保有する。LEEの重要な発現制御因子として我々が腸管出血性大腸菌(EHEC)において以前に同定したpch遺伝子群(pchA-E)のうち、上記のEA株にはpchBおよび新規のpchであるpchFが存在した。両者はいずれもEAにおけるLEE遺伝子発現に重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EHEC感染による重症例である溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症する年齢は10歳までの小児に最も多い。EHECと近縁であるが大腸菌とは異なる種に分類されるEscherichia albertii(EA)は、これまでHUSを発症したケースは報告されていなかった。我々はHUS発症患者から志賀毒素産生性のEAを分離同定し、その病原性に重要と考えられる細胞接着性にかかわる遺伝子群LEEの発現に必須な遺伝子を同定した。本研究の成果はEHECおよびEAが保有する病原性遺伝子群の発現制御機構の解明に向けた重要な知見となり、EAの病原性を理解する上で重要な知見になるものと考えられる。
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