研究課題/領域番号 |
20K07520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
林 豪士 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (80824648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヒトノロウイルス / 腸管オルガノイド / 宿主因子 / 自然免疫 / CRISPR-Cas9 / 抗ウイルス活性 / siRNA / インターフェロン / RNAseq / ノロウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトノロウイルス(HuNoV)はウイルス性の感染性胃腸炎の主要病原体である。近年腸管上皮オルガノイドを用いたHuNoVのin vitro感染培養系が確立されたことで、感染機構の解析が可能となった。本研究では、新規に確立した単層腸管オルガノイドへのsiRNA導入法を用いて、自然免疫関連遺伝子のスクリーニングを行うことで、HuNoV感染を規定する宿主因子の同定を試みる。HuNoVに対する宿主免疫機構を解析することで、その防御機構を利用した治療薬開発に繋がる知見が得られることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、近年確立された腸管オルガノイド培養系を駆使してヒトノロウイルス(HuNoV)感染を規定する宿主因子の探索を行った。HuNoV感染腸管オルガノイドのRNAseq解析により、宿主抗ウイルス応答に重要な遺伝子群(JAK/STATシグナル伝達経路、インターフェロン誘導遺伝子など)の発現が感染により上昇することを明らかとした。さらに、当該応答に関わる主要構成因子の一つであるSTAT1遺伝子を欠損させた腸管オルガノイド(CRISPR-Cas9法により樹立)を用いた解析から、JAK-STAT経路依存的な抗ウイルス応答がHuNoV増殖の抑制に寄与していない可能性を示唆する知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HuNoVは公衆衛生上重要な病原体として認知されているものの、近年までin vitroでの感染培養系が確立されていなかったこともあり、その病原機構は良く分かっていない。本研究において、HuNoV感染制御因子の同定には至らなかったものの、宿主抗ウイルス応答に主要な役割を担うJAK-STAT経路がHuNoV増殖に抑制に寄与していない可能性を示したことは、HuNoVの増殖メカニズム解明に向けた重要な第一歩となった。さらに、宿主因子解析に必須のツールであるCRISPR-Cas9法による遺伝子欠損腸管オルガノイドを作製する系を確立したことは、今後さらに研究を発展させる上で大きな成果であると考える。
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