研究課題/領域番号 |
20K07525
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
増田 貴夫 東京医科歯科大学, 医学部, 准教授 (80219336)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | HIV / 逆転写酵素 / インテグラーぜ / 核内輸送 / インテグラーゼ / 蛋白質 / 核酸 / 酵素 / レトロウイルス / ゲノム / ゲノム複製 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含むレトロウイルスは、ウイルスRNAゲノムのDNA変換(逆転写過程)と宿主ゲノムへの挿入(組み込み過程)を特徴とする。申請者の増田らは、HIVインテグラーゼ (IN)が本来の「組み込み過程」に加え「逆転写過程」にも必須な役割を持つことを見出しており、新たなレトロウイルス阻害剤開発の分子標的として注目されている。本申請研究では、逆転写酵素とINの融合タンパク質を調整し、「逆転写過程」の無細胞再構築系による機能解析を展開する。これにより、INに依存するレトロウイルス逆転写反応制御機構の解明と、新規コンセプトを有するレトロウイルス複製制御法の分子基盤を提示する。
|
研究成果の概要 |
レトロウイルスの特徴は、ウイルスゲノムRNAのDNA変換(逆転写過程)と染色体への組み込み(組み込み過程)を起点として増殖する点にある。本研究では、ヒト免疫不全ウイルス (HIV)の逆転写と組み込み過程を触媒する2つのウイルス酵素、逆転写酵素(RT)とインテグラーゼ(IN)の協調的機能を探り、INに依存する逆転写機構の解明を目的とし細胞内局在性や酵素機能を多角的に解析し、細胞に侵入したHIV逆転写複合体がINの特性である強い核局在能とdNTP基質親和性を高める効果により逆転写反応の促進に寄与することを世界で初めて明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
逆転写過程におけるインテグラーゼ(IN)の関与は、HIVのみならずレトロウイルスの原型と考えられるレトロトランスポゾンでも確認されているが、そのメカニズムは不明であった。本研究から、レトロウイルスゲノム複製様式の新規分子機構とその分子基盤を提示することができたことは、学術上の大きな意義を持つと考える。また、本研究成果から、HIV感染症のみならずレトロウイルス様内在性転移因子の制御法としても有用な新規知見が得られ、新規コンセプトを有するレトロウイルス阻害剤開発の分子基盤となり、社会面での貢献に資する研究成果を得たものと考えられる。
|