研究課題/領域番号 |
20K07529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 潤 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70319268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アイチウイルス / ピコルナウイルス / IFTM1 / ゲノム複製 / 複製オルガネラ / コレステロール / ピコルナウイルス複製 / IFITM1 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリオウイルスなどのピコルナウイルスは、感染細胞内の細胞内小器官膜を再編してゲノム複製の場をつくる。この過程で細胞内物質輸送機構や脂質代謝機構を利用し、特定の細胞タンパク質やコレステロールを蓄積させ、ゲノム複製に適した環境を整える。胃腸炎に関連するアイチウイルスも同様である。本研究では、アイチウイルス感染においてコレステロールの蓄積に関与する可能性のあるウイルスタンパク質と細胞タンパク質について、その関与の機構を詳細に解析する。その成果は、細胞内脂質輸送の研究分野において有意義な新知見となり得るものだと考える。
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研究成果の概要 |
本研究では、胃腸炎関連ピコルナウイルスであるアイチウイルス(AiV)の複製オルガネラへのコレステロール輸送に関与する新たな宿主因子を見出した。インターフェロン誘導遺伝子の一つ、IFITM1は、多くのウイルスの増殖を阻害するが、アイチウイルスに対してはゲノム複製を亢進することが分かった。タンパク質相互作用解析、AiV複製細胞の免疫染色解析、コレステロール輸送阻害剤を用いた解析などを行った結果、IFITM1がエンドソームからゴルジ体へのコレステロール輸送に関与していることを示唆するデータを得た。IFITM1がピコルナウイルスの複製に関与するという報告はこれが初めてである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インターフェロン誘導遺伝子であるIFITM1は、多くの場合ウイルス増殖抑制活性を示すが、本研究では逆に、IFITM1がアイチウイルスのゲノム複製を亢進することが明らかとなった。そして、エンドソームからゴルジ体へのコレステロール輸送にIFITM1が関与していることを明らかにし、このことが、ウイルス複製を亢進する要因だと考えられた。IFITM1のこのようなウイルスゲノム複製亢進機構、およびIFITM1がエンドソーム-ゴルジ間コレステロール輸送に関与することについては、これまで報告されていない新知見であり、ウイルスゲノム複製研究および自然免疫機構研究において有意義な発見であると考える。
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