研究課題/領域番号 |
20K07549
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
|
研究機関 | 国立感染症研究所 (2022) 熊本大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
久世 望 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (80710409)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | HIV-1 / CTL / CD8陽性T細胞 / 逃避変異体 / プライミング / エピトープ / mutant / priming / STING / naive / protective epitope / 変異 / ナイーブ / メモリー / cART / 変異ウイルス / 細胞傷害性T細胞 / HLA |
研究開始時の研究の概要 |
潜伏HIV-1の排除に向けて、再活性化させたHIV-1を免疫力で排除するという戦略がエイズ完治療法の一つに提案されている。CTLを用いた方法では、感染者で効果的なCTLの誘導が必要であるが、長期治療感染者ではエフェクター細胞の消失、メモリー細胞の機能低下が見られる。 本研究では、STING活性化により、HIV-1感染者から国内の流行変異HIV-1を排除できるCTLの免疫応答を可能にする方法の確立を目指す。変異HIV-1も排除できる機能を持ったCTLをナイーブT細胞から新規誘導、メモリー細胞から再活性化により誘導する。 本研究の成果によって、エイズの完治療法に必要な免疫面での課題を解決できる。
|
研究成果の概要 |
HIV-1感染者は様々な変異HIV-1に感染しているため流行HIV-1を排除できる交差反応または変異特異的CTL応答の誘導が重要である。そこで日本人が高頻度に持っているHLA拘束性のエピトープを用いて、変異を認識できるCTLがナイーブT細胞から誘導できるか解析を行った。本研究では、STING活性化によりHIV-1感染者では確認できなかった変異抗原を認識できるTCRを持った新規CTLがナイーブT細胞から誘導できることを明らかにできた。以上から、様々な流行HIV-1変異にも応答できるCTLを誘導できるエイズ完治療法やワクチン開発の可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬剤治療で長期的にHIV-1を抑制できるようになったが、潜伏HIVまでは完全に排除できない。そのため再活性させたHIV-1をCTLなどの免疫力で排除するという戦略がエイズ完治療法の一つとして提案されている。一方でHIV-1感染者は様々な変異HIV-1に感染しているため、流行HIV-1を排除できる交差反応または変異特異的CTLの誘導がエイズ完治療法やワクチン開発に重要である。本研究ではSTING活性化により、国内に流行している変異ウイルスも認識できる機能を持ったCTLをナイーブT細胞から新規誘導できた。本研究の成果によって、エイズの完治療法に必要な免疫面での課題を解決できる可能性が示唆された。
|