研究課題/領域番号 |
20K07563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 貴世志 東京大学, 医科学研究所, 講師 (50466843)
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研究分担者 |
古川 洋一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20272560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大腸がん / 肝がん / Wnt/β-cateninシグナル / 転写調節機構 / 遺伝子発現 / Wntシグナル伝達 / トランスクリプトーム解析 / 転写調節 / Wntシグナル / トランスクリプトーム / 遺伝子発現調節 / エピトランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
Wnt/β-cateninシグナル伝達経路の異常は、細胞の生存や幹細胞の増殖と分化の調節、がん免疫回避機構などに関わる遺伝子の発現を増加させることで、がんの発生や進展に深く関わっている。本研究は、新たなWnt標的遺伝子の機能解析やRNAメチル化修飾解析を通じて、Wntシグナルのさらなる理解に役立てることを目的としている。本研究の成果は、Wntシグナルの異常を持つ腫瘍細胞の性質を分子レベルで理解し、新たな診断・治療法開発のための基盤的情報となることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、高頻度にWnt/β-cateninシグナルの異常を認める大腸がんおよび肝がんそれぞれの腫瘍において、同シグナルの新たな標的遺伝子MOSPD1およびODAMを同定した。それぞれの遺伝子のWnt応答エンハンサー領域を同定し、さらに、ODAMは肝がんの細胞周期の進行や増殖に関わることを明らかにした。また、1倍体ゲノムを持つHAP1細胞を用いて、新規Wntシグナル標的遺伝子VSNL1を同定し、同分子の高発現が大腸がん細胞のアポトーシス回避に関与していることを示した。本研究成果は、Wntシグナルが関与する様々な生命現象調節機構の理解が深まることに役立つものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Wnt/β-cateninシグナル伝達経路の異常な活性化は、様々ながん種の発がんや細胞の生存、幹細胞の増殖と分化の調節、最近ではがん免疫回避機構に関与することが報告されている。そのため同経路は、がんの再発や薬剤耐性化の解決に繋がる有望な標的として治療薬開発が行われてきた。しかしながら、実際の臨床で投与可能な治療薬の開発には至っていないのが現状である。我々の研究成果は、Wntシグナルの多種多様な生物学的プロセスの理解に役立つだけでなく、これら下流分子を標的とする新しい抗がん剤開発への展開が期待される。
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